検索窓
今日:18 hit、昨日:11 hit、合計:271,056 hit

8 ページ9

No side


タケミチ「無理だ!!!無理だよ、ナオトぉお!!」

稜介と会って怪我の痛みは少し引いたものの、キヨマサのことを思い出して再び絶望したタケミチは、泣きながら走っていた。

タケミチ「(忘れてた。完全に忘れてた。”俺”は”俺”だ。2度目の人生でもダメな奴はダメなんだよ)」

タケミチの心に渦巻くのは、自分は弱くて惨めで情けないという負の感情。

タケミチ「...どーやったら帰れるんだ?」

タケミチ「(そうだ...ナオトが言ってた。握手が”引き金(トリガー)”。過去のナオトに会えば...)」




ピンポーン

タケミチ「...あれ?留守かな...」

橘日向とナオトが住むマンションに来たタケミチだったが、肝心のナオトらは留守のようだった。

タケミチ「(絶対ナオトなんだ。ナオトと握手されすれば未来(いま)に帰れる)」




ナオト「君にしか姉は救えない」

未来のナオトに言われた言葉に、タケミチの心臓は ドクン と嫌な音を立てた。

タケミチ「(...また俺は逃げるのか?)」



ヒナタ「花垣君?」
タケミチ「橘!?なんで?」

橘家の玄関の前で考え込んでいたタケミチは、たった今考えていた相手に声をかけられて驚いて顔をあげた。

ヒナタ「なんでって...そこ、ヒナん家」
タケミチ「...そっか、そりゃそーだ」

呆れていたヒナタではあったが、次の瞬間にはタケミチに顔をずいっと近づけた。

ヒナタ「またケンカしたの?」
タケミチ「うっ...ごめん」
ヒナタ「男の子ってなんでケンカばっかりするの!?」


ヒナタ「ヒナも男の子だったらなー」

ドアにもたれて言ったヒナタに、タケミチは驚きの声を漏らすと、ヒナタは ニッ っと笑って言った。

ヒナタ「そしたらねー花垣君の事、ヒナが守ってあげるの」

エイ と言いながら正拳突きをしたヒナタは、ニコニコとタケミチに笑いかけた。

ヒナタ「ヒナ、空手やってたから男の子だったら強いよー」

タケミチ「.....そしたらさ、俺もヒナの事守る!」

ヒナタと同じように、拳を前に出したタケミチは、ふと自分が”ヒナ”と呼んでしまったことに気づいた。

ヒナ「うん!」
タケミチ「いや、つられちゃってさ」

ヒナ「その方がいい!」

満面の笑みで嬉しそうに言ったヒナにタケミチもつられて、シシッ と笑った。

ヒナ「でも、守るのはヒナの方だね!」
タケミチ「は?」


ヒナ「だって”タケミチ君”泣き虫だし。男だったら絶対ヒナの方が強いもん」

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (173 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
437人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。