幻の最強 【東リべ】壱

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No side


「オラ!! 集まれテメーら

集会始めっぞ!!」

堅の声に隊員らは並んで道を作る。一斉に下げられた頭を微塵も気にせずに堂々と歩く万次郎と堅、そしてどこか居心地悪そうに小さくなって武道が2人について行く。

「今日集まったのは"愛美愛主(メビウス)"の件だ。ウチとぶつかりゃデカい抗争になる。」

万次郎の話を真剣に聞く東卍だが、武道だけは疑問符を浮かべていた。

なぜなら、未来で綾介と会った時にも"愛美愛主(メビウス)"という情報は出てこなかったのだから。綾介から聞いたのは、東卍の内部でマイキー派とドラケン派で別れて抗争をしていたという事。


"抗争"やら"愛美愛主(メビウス)"やら、いまいちわかっていない武道に三ツ谷が説明をする。

「"愛美愛主(メビウス)"は、オレらの2つ上の世代で新宿仕切ってる暴走族だよ。」
「え!? ここらを仕切ってるのは東卍じゃ!?」
「東卍は渋谷ネ。新宿は別。そんで、渋谷も新宿も含めた関東を仕切ってるのが 有罪(ギルティ)のウルフってわけ。」
「あ、綾介さんが有罪(ギルティ)のトップなのは知ってます。」
「バカ野郎。こんなとこで名前出すんじゃねぇ。あの人の事は知らねぇ奴のが多いんだ。ウルフって言えよ」
「すみません」


現在(未来)では東卍よりも大きな組織はなかった為、自然とこの時代でも有罪(ギルティ)と東卍が1番デカい暴走族だと思ってしまっていた。

続いて三ツ谷が抗争について説明をしようとした時、武道は背中から誰かに蹴られ、倒れ込む。


「オマエ、花垣だろ？」
「喧嘩賭博の件でウチの隊のキヨマサが世話になったのう!!」
「どー落とし前つけんだコラ」

＿参番隊 隊長 林田春樹＿通称パーちん

＿参番隊 副隊長 林良平＿通称ペーやん



「やめろや。総長の客に手ぇ出すなや"パー"

キヨマサの件はアイツが勝手に東卍の名前使って喧嘩賭博なんてやってたのがナシって話だろ？」

「あ!? オレァバカだからわかんねーんだよンなコト」「パーちんの脳みそはミジンコだぞコラ」
「わかんねーんなら出しゃばんな ボケ」


「オイ"パー"!! 黙ってろ」

三ツ谷と言い合っていた春樹は、ドラケンの声で黙り、元の位置に戻る。


「許してやってくれよ。パーは今気ィ立ってるからよ」
「"愛美愛主(メビウス)"の頭は"長内"って奴なんだけど、ちょっとした事でパーの親友とモメてな。」

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