幻の最強 【東リべ】壱

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No side


過去にタイムリープしてすぐ、堅に武蔵神社に呼び出された武道。

それについて行くと言った日向と2人で神社の駐車場で待っていれば、次第にバイクのコール音が聞こえてくる。



ｳﾞｫﾝ ｳﾞｫﾝ ｳﾞｫﾝ ｳﾞｫﾝ

ﾊﾞﾘ ﾊﾞﾘ ﾊﾞﾘ

ｳｫﾝ ｳｫﾝ ｳｫﾝ ｳｫﾝ


派手なコール音と共にバイクが次々と入って来る。

すぐにに神社の駐車場は黒の特攻服(トップク)を着たバイクの集団で埋め尽くされた。もう日は暮れているが、バイクのライトで辺りは煌々と照らされている。


「...怖そうな人達...」
「大丈夫だよ...」

駐車場の隅で身を縮こませて2人は堅を待つ。彼女の手前、安心させるようなことを言った武道だが、喧嘩が弱い自分ではこの人数をどうにかすることなど到底無理だ。


しかし、堅を待つうちに制服姿でいる武道と日向に目をつけた不良が2人の周りを囲う。

「オッイ!!! 見せモンじゃねーゾ!! どっか行け!!」
「なんだテメー コノヤロー」
「殺すゾ ボケェ!!」


「いや、ボクはただここに呼び出されて...」

「は!? ココは東卍の集会場所だ。誰がテメェなんか呼ぶか」

日向を背中に隠して果敢に言った武道だが、すぐに胸ぐらを掴まれて凄まれる。

堅に呼び出されただけの武道は、ここが東卍の集会場所なのも、何故東卍の集会に呼び出されたのかも知らず、ただ戸惑うばかり。

「ん？

お前もしかして タケミっち？」

不良の間から胸ぐらを掴まれている武道を見つけたのか、特攻服(トップク)を着た紫がかった銀髪で眉毛には剃り込みを入れた＿弍番隊 隊長の三ツ谷隆が顔を出す。


「は...はい」



「総長の客、何脅かしてんだよ」

三ツ谷は武道の胸ぐらを掴んでいた男に蹴りを入れると、バイクに跨ったままの万次郎の元へ連れていく。






「よう、タケミっち。悪ぃな急に呼び出して」

黒の特攻服(トップク)に身を包んだ万次郎と堅が武道と日向を迎える。


特攻服(トップク)には背中に金で"東京卍會"と大きく刺繍され、

万次郎と堅の左腕にはそれぞれ"初代総長""初代副総長"、右腕には"暴走卍愚連隊"、胸には"天上天下唯我独尊"と刺繍が施されている。

武道からしてみれば、12年前である今でも暴走族は一昔前なのだが、それでも特攻服(トップク)に恥じないかっこよさが2人にはあった。

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