番外編 ページ45
No side
8月1日午前4時半_
『よお、真一郎』
"佐野家之墓"と彫られた墓の前に、綾介は胡座をかいて座る。手にはコンビニで買った日本酒の一升瓶。
『お前が死んで2年だ。相変わらず万次郎達は騒がしい』
どこからか取り出したお猪口に酒を注ぎ、グイ と1杯煽る。
『全く、お前らとは大違いだ。ちょこまかと引っ付いてきて、ガキかっての
お前らは俺を見つけたら大声で挨拶だからな。恥ずかしいったらありもしないぜ』
胸ポケットから取り出したタバコに火をつけて墓に フゥッ と煙を吹きかける。
☆
「やっぱりここにいたのか」
朝起きたら綾介がいないことに気づいた仁斗は慌て、そして今日が8月1日だということに気づいてここまでやってきたのだ。
「今日は真一郎の誕生b『死んだ奴に誕生日も何もあるかっての、バーカ』
決して今日が弟分の誕生日だからここに来たとは認めない相棒に仁斗は苦笑すると、綾介の横に同じように座る。
「お前のせいで1年に2回だけ、綾介がタバコを吸う日ができた。俺が副流煙で肺癌になったらお前のせいだからな。」
墓に置かれたタバコのパッケージを コツン とつつく。
コンビニで買った日本酒もタバコも、両方とも真一郎の好きだったものだ。
8月1日の誕生日、8月13日の命日にだけ、綾介は真一郎が好んで吸っていたタバコを吸う。
真一郎は綾介や仁斗に会う時は絶対に吸わなかったが、体や服に染み付いた匂いが喫煙者であることを物語っていた。
「とは言ってもまあ、よくぞこんな奴を兄貴分にしたよな。お前は」
『うるせぇな。コイツから弟分にして欲しいって言ってきたんだよ。クソ執拗かった』
『弱いくせに意地っ張りでよぉ...』
絡まれてたの女の子を助けようと間に入った真一郎だったが、その意気に反して喧嘩が弱く絡んでいた相手にボコボコをやられていたのだ。
それを助けたのが綾介だった。
両親を亡くして
しかし、真一郎と出会った時には既に前線に出ることはなくなり、
不良共を追い払ってからが大変だった。
やれ喧嘩を教えてくれ、
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腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時