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◤◢◤◢ 注意 ◤◢◤◢
キスシーンあります。
No side
長い銀髪が仁斗の顔の横に パサリ と落ち、視界が遮られる。綾介の顔しか見えず、まるで仁斗と2人きりの世界のよう。しかし、電気がついていない部屋は暗くて、仁斗の上に覆い被さっている綾介の顔はよく見えない。
少し顔にかかった髪が揺れてくすぐったいが、両腕は綾介の冷たい手に包まれて動かす事ができない。
『仁斗...お前は、いなくならないよな...?』
不安げに少し震えた声を紡いだ綾介を抱きしめようと腕を動かそうとするが、更に力を込められてしまった。
「綾介、俺はいなくならない。ずっとそばにいるし、お前の為なら何だってしてやる」
お前に救われた時、そう誓ったんだよ。
綾介は時々こうして不安定になる時がある。それでも、綾介の不調を知るのは右腕である仁斗だけだ。幹部ですら、気づくことはない。気づかないように振舞っているのだ。
綾介の不調を知る仁斗は少しでも休ませようと、綾介を部屋に押し込み、その度にベッドに押し倒される。
そこからは本当に様々だ。抱きしめられてそのまま寝たり、手を繋いで顔を見つめられ、時には心臓の音を確認するかのように顔を胸に押し付ける事だってある。
そう、キスだって。
『仁斗...』
綾介の整った顔がゆっくり降りてきて、何をするかがわかった仁斗はそっと目を閉じた。
冷たくて、少しカサカサした唇が仁斗の唇に重なり、1度離れる。
目を開ければ至近距離で綾介の目と視線がかち合い、また近づく。角度を変えて何度も何度も唇を合わせる。
男同士でこんなことをするのはどうかと思うが、仁斗は別にこの行為を嫌だとは思わなかった。
好きだとか、そういう事ではなく、この行為自体に意味があるのだ。
ハグも、キスも、心臓の音を聞くのも、どれも生きていることを確認する行為。互いに離れないことを誓う行為だ。
『ごめん』
キングサイズのベッドに、綾介と仁斗は並んで寝転がる。きつく拘束されていた仁斗の両手首は赤く綾介の手の痕が残っている。
スーツの仁斗に対して、隣で寝転がることを強要した綾介は、人生で1番の後悔である堅の死について語った事で疲れていて、すぐに寝に入った。
「気にすんな」
サラサラの銀髪を優しく撫でて、スゥスゥ と呼吸を行う薄い唇に チュ とキスを1つ落とす。
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なんか、この未来の綾介はヤンデレルートにまっしぐらですね...
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腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時