36 (2021.10.9 修正) ページ39
No side
「「え!?」」
驚きのあまり ピシリ と固まった武道と直人。まさか自分たちの最大の秘密がこんな敵か味方かも分からない者に知られてしまっているとは思いもよらなかった。
『ククッ ピッタシかよ。
まぁそうだな...じゃあ橘直人。お前に質問だ。
この世で、命の、人としての存在を守る命運を決めるのはなんだと思う?
あぁ、愛とか勇気だとかそんなつまらん答えは要らねぇから。』
今までの質問は全て武道が答えてきた。それを直人は隣で聞いていただけだ。
だからこその直人への質問。
東卍に関わろうとするのならば、他人行儀ではいられない。いつどこで命を狙われるのか分からないのだ。
明日も変わらず生きているという保証など何処にもない。
「命の、人としての存在を守る命運...
何か1つ、これだけは譲れないという心の在り所...でしょうか」
武道や直人にとっての日向であったように、あるいは万次郎にとっての堅であったように、
『つっまんねぇ答えだなぁ。
まぁいい。これは俺の持論だが、命の、人としての存在を守る命運を決めるのは
情報だ。
そうは思わないか?花垣武道』
そう言って綾介がポケットから取り出したのはスマホ。しかし、ただのスマホではない。
武道から綾介に電話をかけられたところに、スマホ自体には無害なウイルスを送り込み、今までの武道と直人の居場所をマークし、盗聴し続けていたのだ。
今、その画面には驚き目を見開く武道と直人の姿が映っていた。この部屋の防犯カメラと繋がっている。そして、武道のスマホにも同じ画面が。
「ずっと、聞いてたんですか...?」
『まーな』
「そんな...なんで?」
『なんでってそりゃあ、これが1番手っ取り早いからだ。本人達はまさか聞かれてるとも思っちゃいねぇからな』
事実である。
『とりあえず、本題に入ろう』
「"東卍"の、龍宮寺堅の情報をくださるんですか...?」
『...お前らの覚悟が確認出来れば、情報なんぞ幾らでもくれてやるつもりだったさ』
先程、命の、人としての存在を守るのは、情報だと豪語していた人間が、
『それに...本来ならば、俺の方から頭を下げて頼まねぇといけないことなんだよ。これは』
「それは、どういう...?」
『それは、お前らが知りてぇ事と一緒に話してやるよ。12年前に起きた事件と、俺の誤ちをな...』
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腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時