33(2021.10.9 修正) ページ36
No side
「タケミチ、いつからこうなっちまったんだろう?
俺は今や稀咲の兵隊だ。東卍の奴らはみんな稀咲の言いなり、マイキー君なんてもう何年も会ってない。」
さっきまで武道の肩を掴んで叫ぶ敦は今や涙を浮かべて掠れた声で言葉を紡いでいる。
「...アッくん、今からでも遅くねぇよ。東卍なんて辞めちまえよ。」
「...ハハ、無理だよ。怖ぇんだよ。ただひたすら稀咲が。
タケミチ、マイキーが変わったのはドラケンが死んでからだ。
ウルフさんも
死ぬべき人じゃなかった。死ぬべきじゃなかったドラケンが死んで、東卍を止めることができるウルフも変わった。そんで俺は汚ぇ金ではしゃいでる。」
屋上の塀の上に乗った敦はポケットに両手を突っ込み、どこか寂しそうな顔でキラキラと輝く東京の街を見つめる。
「俺、憧れてたんだぜ。泣きながら踏ん張るお前に。過去に戻ってお前が助けたいのは"アイツ"か...」
「...アッくん...?危ねぇよ、下りろよ。」
「"究極の愛"だな。
頑張れよ、タケミチ。
みんなを助けてくれ、「アッくん!!」
泣き虫のヒーロー」
屋上の塀の上に立ったまま振り返った敦は、涙を浮かべて笑っていた。まるであの頃のように。
「駄目だよ!!アッくん!!
アッくん!!!」
背を向けた敦が1歩踏み出し、その背中が消えていく。
コマ送りのようにゆっくりと消えていく背中をどうにか掴もうと手を伸ばして駆け寄る武道だったが、自分もコマ送りに巻き込まれてスローモーションのようにしか動けない。
ドサッ
無情にも聞こえた命の消える音。フラフラと塀に近寄って下を覗き込めば、手足が本来曲がらない方向に曲がって頭から血を流している友人の姿。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」
絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望 絶望
なんで、なんで、なんで...
なんでアッくんは死んだ?
ああ、そうだ。稀咲のせいだ。
稀咲のせいで東卍は巨悪になった
もう奪わせない
ドラケンも
アッくんも
ヒナも
みんな 俺が助けて見せる
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腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時