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No side
「それに、女に手ぇ出したの綾介さんに知られたら俺らただじゃ済まないし」
「だな。半殺しじゃあ済まされねーな」
何気なく会話に混ざった綾介という名前を聞こうとした武道だったが、ガッ と堅が首に腕を回したことで遮られた。
「タケミっち...俺相手に凄んだな?」
「す...すみません」
「いいよ。
”譲れねぇモンがある”今どき”女”にそれ言うやついねぇぞ? 昭和だな。 ビッとしてたぜ?」
_____________
「ゴメンなさい!!私勘違いしちゃって...」
ようやく自分の勘違いだと気づいた日向は、自分が思い切りビンタをかました万次郎に頭を下げて謝る。
「いーよ別に。すげービンタだったなぁ」
頬を押さえて言う万次郎に顔を赤くした日向が再び謝ると ハハハハ と笑い声が起きる。
「好きな
相手が相手なら大変な事になっちゃうよ?」
万次郎の指摘に返事をした日向は武道にデートは今度でいいから遊んでこいと言う。
「いいコじゃん。滅多にいねーよあんなコ。大事にしてやれよ」
_____________
万次郎と堅に連れられて学校を出た武道は、万次郎を自転車の後ろに乗せて漕ぐ。
武道がナオトから聞いた12年後の”東京卍會”。
[喧嘩賭博とかくだらねー]
[女に手ぇ出すワケねーじゃん]
武道には本当にこの人があの”極悪東卍”のアタマなのか信じられなかった。
「あの。なんで俺の事なんか気に入ったんスか?」
「...くっだらねー質問」
「俺 10コ上の兄貴がいてさ。死んじまったんだけどネ。無鉄砲な人でさ。自分より全っ然強ぇ奴にも平気で喧嘩挑んじゃうの」
死別してしまった兄を懐かしむような笑顔で話す万次郎に武道も自然と笑みを浮かべた。
「へー かっけぇ人だったんスね!」
「タケミっち、兄貴に似てる」
突然のカミングアウトに武道は驚きの声を漏らす。
どう考えたって弱くて、ダサくて、全てを諦めて逃げた自分が、万次郎の兄のようなかっこいい存在には似てるなんて思えなかった。
「今って不良がダセーって言われる時代だろ?」
河川敷の土手に腰を下ろした万次郎は、赤い夕陽で照らされて光る川を見ながら話し出す。
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腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時