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綾介が仁斗に呼ばれて去っていったファミレス内は暗い空気に包まれていた。

理由は単純。天上天下唯我独尊男、マイキーこと佐野万次郎である。


万次郎だって、綾介が忙しいのはわかっている。電話に出ることなんて本当に稀だし、こうして偶然会うなんて奇跡と言っても過言ではないのだ。

もっと一緒にいたかった、もっと話したかった、自分の欲望が渦巻くと同時に、相棒の電話にはすぐに出て呼ばれれば行ってしまう綾介が憎かった。


「あーもお!!ケンちん!!」
「なんだよマイキー」
「明日タケミっちの学校行こ!!」

珍しく食べ終わっても寝なかった万次郎はよっぽど不服なのか、バン とテーブルを叩いて立ち上がる。万次郎に続いてドラケンも立ち上がり、ズカズカと店を出る万次郎の代わりに綾介から貰ったお金で代金を払う。


マイキーの我儘はいつもの事。下手に反論して機嫌を損ねるよりも大人しく従った方が身のためなのはもう何年もつるんできてよく理解している。





翌日_

「おら、マイキー起きろ!!」

いつも通り万次郎の家に迎えに来た堅は未だ寝ている万次郎を叩き起す。

「んぅ...あと30分...」
「今日はタケミっちの学校(とこ)行くって言ってただろーが。早く起きろ」

ようやくのそのそと起き上がった万次郎を妹のエマと祖父が待つ母屋に連れていく。

「ケンちゃん、ありがとう」
「おぉ」

兄貴()への挨拶は〜?」

ちょっぴり頬を赤らめて堅に挨拶をしたエマに、万次郎は手に持ったタオルをこねくり回しながら聞く。


「マイキーは早く朝ごはん食べて」
「目玉焼きは潰してって言ってんじゃん」
「自分でやれば?てか、ケンちゃん待たせてるし、片付けしたいから早く食べて」

スウェットにボサボサの髪、タオルを持った万次郎と既に着替えて朝食の支度をしたエマの毎朝繰り返されるやり取りを堅はソファに座って眺める。


「ケンちん、タケミっちの学校ってどこ?」
「お前なぁ...溝中だろ」
「そだっけ?」

モグモグ とエマが作った朝食を頬張りながら振り返って聞く万次郎に堅は呆れたようにため息をつく。自分で遊びに行くと言ったのに、まさか行くべき場所も知らないとは...



「バイクっしょ?」
「チャリ」
「えぇ〜 溝中遠いじゃん。バイク乗ってこーよ」


タケミチやアツシのような、所謂不良崩れの中坊が番張ってるような学校にバイクで行くという万次郎の頭を スパンッ と叩いた。

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腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時

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