22 過去編 ページ24
なあ、俺 決めたよ。
『俺は、人の道を、不良の道を外れちまった馬鹿共を正すために不良を続ける。親父と母さんみたいに、俺みたいな奴を出さないために...』
2人を殺した不良は憎いけど、このままだと俺と同じ思いをするやつが必ず出る。そんなこと、俺が許さねぇ...!!
俺が先頭に立って、正しい方に導いて見せる。俺を導いてくれた親父と母さんのように。
母さん、親父。見ていてくれよ。俺は必ず2人みたいな、俺みたいな思いをするやつを救ってみせる。
「ほぉ...いい心構えじゃあないか。結婚するって俺に宣言しに来た晴風と同じ面構えだな」
「如月さん!!」
和服を着た初老の男性。
『如月?』
「如月慶悟。お前の母親、晴風の父親だ」
母さんの親父...聞いたことある。和一組っていう極道の組長だ。
「ちょっと、僕が話すまで来ないでくださいと言ったでしょう!?綾介くんが混乱するじゃないですか!」
「あ?お前がゆっくり話そうが俺が今言おうがどっちにしろ話すことには変わりねぇよ」
小柄な弁護士と大柄な祖父が口喧嘩しているのはなんとも言い表しようのない光景だ。
『ねえ、話って何?』
「あ、ああ...綾介くん、君は「法律によって俺がお前の面倒を見んといかん」ちょっと!!」
また口喧嘩が始まりそうだったため、弁護士のスーツの袖を引っ張る。
「そうは言っても、君が嫌だと思えば別に如月さんの元でなくとも『いいよ』その場合は児童施設に『いいって言ってる』へっ!?」
『如月さん、これからよろしくお願いします』
ペコリ と如月さんに頭を下げる。こういう礼儀は親父にも母さんにも躾られている。
「ああ、礼儀はちゃんと躾られてるみたいだな」
俺のことは”爺ちゃん”でも”親父”でもなんとでも呼べと言った如月さんは、ワシャワシャ と俺の頭を乱暴に撫でた。
親父にも母さんにも似ても似つかない撫で方。乱暴な癖して、俺を見る目はとても暖かかった。
「(晴風、稜真、お前らの息子は俺らが預かった。お前らの分までしっかり躾て、受け止めきれねぇ程の愛情をつぎ込んでやるよ。だから安心して眠れ)」
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腐敗物 - 米神ではなく顳顬です。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page36 id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - うわぁ…ホントですね。18話がないのも、稜介が綾介なのも気が付きませんでした…!! 気をつけますね!! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白くてすぐに読んでしまいました!ですが18話が無いのと夢主の字が稜介から綾介になったのが気になりました。 (2021年9月20日 10時) (レス) id: a5a0810e66 (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 最高です!!!こういう東卍の作品を探してました!!!続き待ってます!!!! (2021年7月25日 11時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - いちごミルクさん» 一応考えてはありますが、もう少し話が進んだらアンケートをとる予定です! (2021年6月27日 14時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月7日 21時