幻の最強 【東リべ】壱

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綾介 side

『堅はどうする？』
「...チョコパで」

頬を染めて俺を見ている女の店員に万次郎のお子様ランチと堅のチョコパ、俺のコーヒーを頼むと、女の店員はますます顔を赤くした。

あ〜めんど。店員が客に盛ってんじゃねぇよ。仕事しろ仕事。堅と万次郎の機嫌が最悪じゃねぇか

「ねえ、早く作ってきてくんない？腹減ってんだけど」

万次郎が店員を睨むように言えば、窓の外を見ている俺をチラリと見、小さく謝ってキッチンへ駆けて行った。


「相変わらずですね」
『まーな。そんで、オマエらも元気にしてたか？』

俺からしたらこんなのは日常茶飯事。自分の顔がいいことは十分承知している。

街を歩いていて声をかけられることもあるからこの程度でどうにかしてしまおうとは思わない。第一、相手は一般人だ。だが、久しぶりの万次郎と堅との時間を邪魔しないで欲しい。

「元気も元気。ちょー元気」
『さっきも巫山戯たガキ、ノしてたもんな』

「綾介さん、俺らがキヨマサ ノしたの実は根に持ってます？」

歌うように言った万次郎に少しやらかしたっていう顔をしている堅。

しゃーねぇだろ。俺がヤりたかったのにオマエらがヤっちまったんだから。

なんて心の声は少し隠しておこう。




圭介が内輪揉めして集会に出禁になっただとか、春樹(パー)が相変わらずバカだとか、そんな東卍の奴らの話を聞きながら注文した物が来るのを待つ。


「お、お待たせ致しました。お子様ランチ1点、チョコレートパフェ1点、コーヒー1点で ご、ございます」

俺の前にコーヒーを置く店員と目が合い、店員はフリーズした。

「ねぇ、綾介さんは俺のだから手ぇ出すなよ？」

万次郎が俺に腕を絡めて抱きつく。笑顔でなんかかわいいこと言ってる感出してるが、コイツの目が笑ってねぇんだよ。


万次郎の雰囲気に気圧されたのか、小さく悲鳴をあげて去っていく店員。

『いつから俺がオマエの物になったんだよ』

ﾊﾞﾁﾝｯ と引っ付いている万次郎のデコにデコピンをする。

「痛ぇ...」
「ほらマイキー、お子様ランチ来たんだからさっさと食え」

ホント、堅は相変わらず万次郎の母親だな。お前もチョコパ食べろよー




•*¨*•.¸¸♬︎

...仁斗？わざわざ電話なんて珍しいな

〖はいはーい、どうした？〗
【お前、今誰とどこにいる？】
〖万次郎と堅と喫茶店。何、どしたの？〗

仁斗は少し息を吸って、吐き出すように言った。

【親父さんに捕まった...顔出せだってよ】

うげ、マジかよ...

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