幻の最強 【東リべ】壱

番外編 三ツ谷 Happy Birthday ページ16

まだ三ツ谷君登場してませんが、誕生日なので書きたいと思います。

遅れてごめんなさい...!!


⿴⿻⿸

ﾄﾞｺﾞ

ｸﾞﾁｬ

ﾊﾞｷｯ



三ツ谷「クッソ、しつけーんだよ!!」






今日は6月12日。(本当はもう14日の夜)

東京卍會 弐番隊隊長 三ツ谷隆の誕生日だ。


『隆』

「ッ稜介さん!!」


大好きな人の声に振り返った三ツ谷。姿など見なくたって、稜介の声を間違えたりはしない。

高すぎず、低すぎない、不思議と惹き付けられる色っぽい声。東京の夜の路地裏＿それも周りには血だらけで倒れている男ども＿には不釣り合いな、整った顔。モデルのようなスタイルの体の後ろには、稜介の愛車のゼファーXが止まっている

三ツ谷にとって、稜介は憧れであり、尊敬し、心の底から好いている相手だ。



『おお、また盛大に汚したな』

振り返った三ツ谷の顔には真っ赤な血がべっとりとついていた。学校帰りに絡まれたのか、白いワイシャツにも血がついている。もちろん、三ツ谷の血ではなく相手方の返り血だ。


三ツ谷「あ...すみません。すぐに拭きますんで」
『いや、いいさ』

三ツ谷「いや、汚いんで...」

頬に伸ばされた手に汚い血がついてしまうと身を引いた三ツ谷だったが、稜介の熱っぽいまっすぐな目に身体を ﾋﾞｸﾘ と震わせた。




『誕生日おめでとう』ﾁｭ

頬に優しく添えられた手、柔らかく押し付けられた形のいい唇、やけに色っぽいリップ音

それら全てが三ツ谷を混乱させた。

三ツ谷「な、なんで...」

暗い路地裏でもわかるほど耳まで真っ赤に染まった顔は、ひと回り年の離れた稜介ですら喰ってしまいたいと思うほどかわいらしく、そそられる。


三ツ谷「あっあの、その...覚えててくれたんスね...」

顔を背けてボソボソと喋る三ツ谷。恥ずかしい。でも、嬉しい。そんな感情が入り乱れる。



今日、今、この時だけは、色んな奴らに尊敬されて、好意を寄せられている稜介が自分のことだけを見てくれている。

誕生日に絡まれて最悪だと思っていた今日が、なんだか最高の日に思えてきた。


『(今日ぐらい...喰っちまってもいいよな)』


夜の路地裏に、艶やかな声が響いた。




⿴⿻⿸

一応、全年齢です。

まだ本編が進んでませんが、ちょいちょいこういうの入るかもしれません。

嫌だったら言ってくださいね(無くなるかは保証できません)


誕生日以外の番外編のリクエストもお待ちしています。もちろん、本編の内容で「こうして欲しい」でも構いません

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