32勝 ページ34
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始まった二軍対三軍のミニゲーム。このゲームの結果で黒子の未来が決まる__
パス_パス_パス_
決してシュートを決めている訳でもない。むしろ、ドリブルすらしていない。やっているのはただのパスカットのみ。
それでも、黒子に注目しているルナ以外の面々は驚愕した。自分に着いた相手をいつの間にか躱し、気づけばボールはカットされている。いくら影が薄いと言っても、試合中に相手を見失うなんてことは普通はありえない。
「……ミスディレクション」
「手品などで使われる人の視線を誘導する技術です」
「手品ァ!?」
「右手で派手な動きをして注意を引きつつ、左手で次のネタを仕込む。ああいうやつです」
赤.司が虹村にミスディレクションを教えている間、ルナはその隣でジッと黒子を見ていた。
カットを切る直前に視線や仕草でマークマンの目をボールや他の選手に誘導。
”影の薄い黒子がミスディレクションを使うことで相手のマークから外れ、パスを回す”。今、黒子がやっているプレーこそが、ルナが黒子に求めていたものである。
ルナや虹村に見られていることで極限まで緊張しているチームメイトがいなければ、二軍対三軍で圧倒的な実力差があれど10-12以上の差が出ていただろう。
「結果、元の存在感の薄さとあいまって彼はあたかも幻のように姿を消す」
「…で、こうなることを全部わかってたんか、お前は」
「少し違いますね。方向性は予想どうりでしたが、まさか視線誘導を取り入れてくるとは思わなかった」
「こうなることを全部わかっていたのは、ルナさんだけですよ」
そう言って、虹村の隣に座るルナを見る赤.司。それに釣られて虹村もルナを見る。肝心のルナは、2人の話が耳に入っていない、もしくは聞こえていてもスルーしているのか、視線をジッと黒子に固定している。
「はぁ…なんでコイツはいつもいつも、必要な事しか言わねえんだよ…!!」
ルナがこの件に1枚噛んでいるのは知っていた。でも、ルナが言わないのなら知らなくてもいいのか、知るべきでは無いのだろうと、無理に聞くことをしなかった。
大切なことを伝え忘れるなどというポカミスをするようなルナではないと思っていたのが仇になったようだ。
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最近、少しスランプ気味です…
更新が遅くなるかもしれませんが、広い心でお待ちください。
これからも、『月の女神は勝利を誓う』をよろしくお願い致します。
蒼月
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蒼月(プロフ) - ゆうらさん» ええっ!?本当ですか?すごく嬉しいです!!これからも更新頑張ります!!! (2022年1月20日 23時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうら(プロフ) - 凄い心地よいくらいに黒バスと819の世界観が合わさっててキャラが出てくるたびにワクワクします!最高です!!! (2022年1月20日 23時) (レス) @page27 id: d387b9f66a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - とっても面白いです。更新頑張ってください (2021年5月9日 8時) (レス) id: 31ff0c2e3c (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 蒼月さん» そうなんですか!ちょっと安心しましたw頑張ってください! (2021年4月5日 4時) (レス) id: 0a298b7efe (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 泉さん» 今のところ深雪ちゃんとくっつける予定はないです!!(多分)個人的には、ルナとくっつけるとしたら、今出てきてる人の中では青峰か佐久早になりそうです!!今後も応援よろしくお願いします! (2021年4月5日 4時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年3月18日 16時