3勝 ページ4
.
新学期
白いブレザーを着、襟元に生徒会役員の証である金色のバッチをつけたルナは、帝光中に足を踏み入れた。
銀の髪をなびかせ、颯爽と歩くルナの周りにあっという間に人が集まり、時折興奮したような黄色い声も聞こえてくる。
2年生となったルナを知っている2､3年生と違い、昨日入学したばかりの1年生は訳も分からず道を譲る羽目になった。
ルナの周りを取り巻き、黄色い声を挙げる者は多いものの、個人的に声をかける者は少ない。それもそのはず、ルナに声をかけるのはスクールカースト上位の人間、つまり自他共に認める”ルナという人気者に話しかけるに相応しい者”である。
ルナが言った訳ではないが、これが暗黙の了解になっている。
ルナとしては、普通の友達が欲しいだけであり、人間関係をステータスのように思っている人たちに興味などない。
無視するのはどうかと思うから、話しかけられたら答えるだけである。
しかし、そんなクールな性格と才色兼備が相まって”高嶺の花”と呼ばれるに知らしめており、更にファンと告白する者を増やしていた。
ルナに話しかけ、反応して貰えるカースト上位の者たち。彼らですら、常に隣にいることはなかった。否、ポーカーフェイスのルナの笑顔を見るため、隣を空けるのだ。
「ルナ、おっはよ〜!!」
「はよ」
そう、彼らの為に。
『アキ、シュウ、おはよう』
挨拶と共にフワッと笑ったルナに、ファンたちは胸を押さえ、悶絶する。
空けられたスペースに当たり前のように収まったのは、2人の男女。
アキ と呼ばれた栗色の髪の少女、磯貝晶150cmとルナよりも頭1つ分小さい晶は、可愛さ満点の美少女。
ルナと同じ、バスケ部の一軍マネージャーである。
シュウ と呼ばれた黒髪、アヒル口の少年、虹村修造。ルナよりも若干背の高い彼もまたイケメンである。虹村もバスケ部であり、中学校NO.1プレイヤーと名高く、主将を務めている。
周りは皆、ルナの隣にいられること、ルナに認められることをステータスのように認識している。
幼い頃からモデルのスカウト、ナンパ、告白が絶えず、その容姿や才能で特別扱いばかりされてきた。普通の友達が欲しくても、周りには自分をアイドルのように扱う者やルナの目に留まりたい者しかいなかった。
2人は、両親や幼馴染たち以外に初めて対等に接してくれた、ルナにとって初めて”友達”と呼べる存在なのだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 131人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼月(プロフ) - ゆうらさん» ええっ！？本当ですか？すごく嬉しいです！！これからも更新頑張ります！！！ (2022年1月20日 23時) (
レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうら(プロフ) - 凄い心地よいくらいに黒バスと819の世界観が合わさっててキャラが出てくるたびにワクワクします！最高です！！！ (2022年1月20日 23時) (レス) @page27 id: d387b9f66a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - とっても面白いです。更新頑張ってください (2021年5月9日 8時) (レス) id: 31ff0c2e3c (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 蒼月さん» そうなんですか！ちょっと安心しましたw頑張ってください！ (2021年4月5日 4時) (レス) id: 0a298b7efe (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 泉さん» 今のところ深雪ちゃんとくっつける予定はないです!!（多分）個人的には、ルナとくっつけるとしたら、今出てきてる人の中では青峰か佐久早になりそうです!!今後も応援よろしくお願いします！ (2021年4月5日 4時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼月 | 作成日時：2021年3月18日 16時
