2勝 ページ3
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『ごめん、遅くなった』
思っていたよりも鏡の前にいたらしく、気づいた時には待ち合わせ時間ギリギリだった。
「珍しいじゃん」
ルナに気付いてスマホから顔を上げたのは、マスクをした黒髪の癖毛の少年。隣に住む幼馴染の佐久早聖臣である。
「まあ、間に合ってるけど」
潔癖症の聖臣は、普段「雑菌に触れたくない」と言ってマスクをしているが、走るためにマスクを外した聖臣は整った顔を惜しみなく晒した。
銀髪の美少女と黒髪の美少年の2人が東京の朝を駆ける。
☆
2人の息を吐く音、地面を踏みしめる音が響く。
聖臣は、そっと隣を走るルナを見た。誰もが振り返り見惚れてしまう程の整った容姿、167cmの身長と抜群のスタイル。贔屓目なしに間違いなく美人だ。勉強も運動もできる。才色兼備としか言い表せようのない幼馴染。
生まれた頃からの付き合いのルナに恋愛感情なんてないし、その才能を僻んだりもしない。少し羨ましいと思っていた時もあったけど、今はそうでもない。
基本無表情だし、おじさんとよく似た落ち着いた性格のせいでクールな奴だと思われがちだ。まあ、確かにクールな奴だ。
けど、ルナは意外と笑ったりするし、楽しいことも好きだ。甘いものが好物だなんてギャップもある。
ルナは人のことをよく見ている。眼の能力のこともあるが、それだけじゃない。俺が潔癖症に悩んでいた頃、それにいち早く気付いたのはルナだった。部屋に入る前に必ず手洗い、消毒をして、服に着いたゴミを落とす、歯磨きも欠かさなかった。あの頃のルナの口癖は「オミは人よりも慎重なだけ」だった。
おじさんに勧められて始めたバスケはあっという間に上手くなっていて、たまたま同時期に始めたバレーも俺なんかよりもずっと上手かった。
バスケもバレーも自分でプレーするよりもサポートに力を入れていた。当たり前のように練習に付き合ってくれて、大会にも来てくれる。
基本、なんでも完璧にできてしまうルナは、頼られることが多かった。その容姿と才能を目当てに近づく奴らばかりで、友達と呼べる奴なんていなかった
その分析力を見込まれて、遠くの私立に進んだルナ。
たとえ学校中の人気者だったとしても、独りかもしれない。
まあ、そんなことはないだろうし、実際なかった。
友達ができたと嬉しそうに笑っていたルナの顔を思い出して、聖臣は人知れず微笑んだ。
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蒼月(プロフ) - ゆうらさん» ええっ！？本当ですか？すごく嬉しいです！！これからも更新頑張ります！！！ (2022年1月20日 23時) (
レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうら(プロフ) - 凄い心地よいくらいに黒バスと819の世界観が合わさっててキャラが出てくるたびにワクワクします！最高です！！！ (2022年1月20日 23時) (レス) @page27 id: d387b9f66a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - とっても面白いです。更新頑張ってください (2021年5月9日 8時) (レス) id: 31ff0c2e3c (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 蒼月さん» そうなんですか！ちょっと安心しましたw頑張ってください！ (2021年4月5日 4時) (レス) id: 0a298b7efe (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 泉さん» 今のところ深雪ちゃんとくっつける予定はないです!!（多分）個人的には、ルナとくっつけるとしたら、今出てきてる人の中では青峰か佐久早になりそうです!!今後も応援よろしくお願いします！ (2021年4月5日 4時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼月 | 作成日時：2021年3月18日 16時
