月の女神は勝利を誓う

12勝 ページ12

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中間テストという地獄が終わり、各フロアに上位50位までの名前が張り出された。

「あっ！ルナ様が来たわ!!」
「今日もお美しい…」
「容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。ホント才色兼備だよなぁ」
「晶ちゃんも可愛いよね…」
「虹村くんもかっこよくない？」

順位表の前に群がっていた人達が、ルナ達が来たことでザッと道をあける。


「うげ、またか」

顔を顰めた虹村の視線の先には、紙の1番上＿つまり1位の場所にルナの名前がある。その横には 500点 という、全教科満点の結果。

「毎回すごいねー」
「俺、ルナが500点満点以外とってるの見たことねぇんだけど…」

瞬間記憶＿カメラアイと呼ばれる”月神の眼(セレーネアイ)”とは別の能力を持っているルナは、暗記において右に出る者はいない。カメラアイだけでなく、元々の地頭も良い為、計算なども得意である。


☆


「え!! ルナさんもなんですか!?」

部活が終わり、珍しくルナたちは赤.司たち1年生と歩いていた。話題はもちろん、テストの結果のことだ。

中学に入ったばかりでとても簡単なはずの中間テストで赤点ギリギリをとった青.峰が、500点満点で1位の赤.司を自慢していた。が、青.峰以外が知っていた、ルナも同じだという事実。

「また小遣い上がるのか？」
「あ、ルナさんはテストの結果でお小遣いが増えるんですね！」

成績が良ければお小遣いが増えるというルナに、青.峰の幼馴染であるさつきが反応する。

「それがねぇ…」
『お小遣いが貰えるのは嬉しいんだけど…』
「ちょっとやりすぎだよな」

苦い反応をする先輩3人に、1年生は揃って首を傾げる。

『初めは5000円。そこから毎テストごとに500円あげられてるの』

思わず赤.司以外の1年生が絶句する。元も多いのに毎テストごとに500円上がるって...


「でも、どうりでなのだよ」

全く意味のわからない緑間の納得に、ルナたちも含めて首を傾げる。

「腕時計にペンケース、KAGUYAの最新機種の高性能PCとスマホ、ハンカチ。どれも有名ブランドの物だ」

ようやく合点がいったとばかりにルナ達は納得する。色々と間違ってはいるが、大方合ってはいる。

「言われてみれば…ルナさんってお金持ちだったんですね」
『私がじゃなくて、親がだよ』

腕時計は誕生日に両親から、ペンケースは入学祝い、PCとスマホは試作品、ハンカチは進級祝いと、何一つルナ自身では買ってはいないのだ。


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