第二十八話 ページ29
桑島さんが気絶した少年を担ぐ。
「……買い物は仕方がない、また後で来ることにしよう。とりあえず、こいつを屋敷に連れて帰る。」
「あ、はい。」
倒れてしまった後で気付いたのだが、この少年、なんとあの我妻善逸であった。
本当に汚い高音だった。
未だに彼の叫び声が耳から離れない。
「……面倒な事に関わってしまったものじゃ。」
そう言いながらも最後まで事を投げ出さない桑島さんは、本当にいい人だと思う。
――――――――――――――――――――――――――――
桑島さんが我妻君を布団に横たえる。
「すまんが、目を覚ますまで見ていてくれないか?獪岳に稽古をつける約束でな……。」
「大丈夫ですよ!任せてください。」
「何かあったらすぐに言うのじゃぞ!」
「はい。」
桑島さんの背中が見えなくなると、縁側に座り、庭を眺める。
太陽の光が全身に降り注ぎ、ぽかぽかとしてとても気持ちがいい。
そうしていると、背後でごそごそと音がした。
振り向くと、我妻君が布団から身体を起こしているのがわかった。
「俺どうして……。え、ここどこ……。」
「あ、目が覚めたんですね。良かったです。」
「ウォァァァァァ"!?お、女の子がいる!!!何で!?!?ココドコ!?!?」
起きたばかりなのにとても元気だ。
「気絶してしまったので、桑島さん………あなたに声を掛けたお爺さんがここまで運んだんですよ。」
「ア"ッーー!!!そういえばあの爺さんに殴られたんだった!!!!てか君名前は!!??俺我妻善逸!!!!!よかったらお茶しない!?!?」
彼が私の両手をがしりと掴み、迫る。
あ、圧がすごい……。
「え、あ、いや、とりあえず桑島さんにあなたが起きたことを報告しなきゃいけないので……。その、なんというか、手を離して下されば……。」
その時、廊下からドタドタという音がものすごい勢いで近づいてくる。
「何をしておるんじゃ!!!その子から離れい!!!!!!」
聞いたことのない音がしたと思うと、我妻君は私の反対側へとぶっ飛んでいた。
……痛そう。
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ちづ - こういう小説ずっと探してて!!やっとめぐりあえました!!!!めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年4月14日 13時) (レス) id: d5e82ff792 (このIDを非表示/違反報告)
須加(プロフ) - 橙咲智歌さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです……!励みになります……。ありがとうございます! (2019年11月11日 7時) (レス) id: 15e826e72c (このIDを非表示/違反報告)
橙咲智歌(プロフ) - とても面白いです!夢の中でトリップして、それが現実と繋がっている…発想が素敵ですね!頑張ってください! (2019年11月11日 1時) (レス) id: ab073858ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:須加 | 作成日時:2019年11月10日 20時