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「嫌いなものはある?」
そう聞いたら、
「無いです。なんでも食べれます」
ってちょっと自慢げに胸を張って言ってきたのがとんでもなく可愛かったです。まる。
フードコートでハンバーガーとポテト、それからげんくんにはシェイク、私にはコーラを頼んで席を探す。
端っこの方に空いてるところがあったから、そこに座って二人で手を合わせた。
「いただきます」
「いただきまーす」
ちうーっとシェイクを吸ってるげんくんを気付かれないようにガン見する私。
目を輝かせててめちゃくちゃに可愛い。
満足したのか、げんくんは次にハンバーガーを頬張る。
「ああ、口の端にソースついてるよ」
拭ってあげれば、恥ずかしそうに俯いた。
ハンバーガーを食べ終え、しなしなになったポテトを機械的に口に運ぶ。と、げんくんがじっとこちらを見つめてるのに気がついた。
「どしたの?」
「あっ、なんでもないですっ!」
そう言って慌てて目を逸らしたけど、多分見てたのは私のコーラ。
「げんくん、私お腹いっぱいになってきちゃったから、もしよければコーラ飲むの、手伝ってくれる?」
「そういうことなら仕方ないですね」
なーんて、精一杯取り繕った口調だけど、ワクワクって効果音が聞こえてきそうなほど目がキラキラしてる。
「げんくん、コーラ好き?」
「はい!お姉さんは?」
「私も好き!……そうだ、げんくん。私のことは『Aちゃん』って読んでほしいな。お姉さん、じゃなくって」
「え、そ、そんなことできませんっ!」
真っ赤な顔で声を張り上げるげんくん。
「いいからいいから。これからいつまでげんくんと一緒に居られるのかわかんないけど、お姉さんじゃちょっとよそよそしくて寂しいからさ。ぜひ名前で呼んで。っていうか、名前で呼んでくれないなら、今後コーラは買いません」
ちょっと意地悪したみたいになっちゃうけど、こんくらい言わないとげんくんも折れないだろうからね。いつまでも『お姉さん』じゃあ私がどのくらいの距離感で接したらいいのかわかんなくて困るの。
「うー……。えっと、A…………さんは」
「うーん、惜しい!」
「ちゃんはまだ無理です……」
「じゃあ、そこはおいおいってことにしようか。まずは、名前で呼んでね」
「はい」
そんなこんなで、(強制的に)距離が縮まった日。
夕方になって、うちに帰って買ってきたものをしまって、ご飯を食べたら、げんくんは疲れてたのかすぐに寝てしまった。
おやすみなさい。いい夢を。
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マジモンの名無し(プロフ) - やはり大丈夫ショタが好きだ (10月16日 6時) (レス) @page20 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
猫田尋 - 作者さん!俺をショタコンにして何をしようってんですか!?責任とって更新頑張って下さいよ!? (2020年5月9日 21時) (レス) id: b8b4fe567a (このIDを非表示/違反報告)
ジオネクスト - ああ尊い…可愛い… (2019年11月22日 22時) (レス) id: 031f9c185b (このIDを非表示/違反報告)
冷(仮) - ン”ン”ン” ゲンくん可愛いぃ…頑張ってください…好き… (2019年11月10日 23時) (レス) id: a33aef2e9c (このIDを非表示/違反報告)
通行人F - ありがとうございます...げん君可愛いです...ありがとうございます... (2019年3月25日 17時) (レス) id: 984eb3b612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜楓 | 作成日時:2019年1月25日 21時