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「じゃあ、授業はここまでー」

教授がそう言った瞬間に立ち上がる。出席カードを一番に提出して教室を飛び出した。

真っ直ぐに家を目指す。げんくん、一人ぼっちで寂しく思ってないかなぁ。思ってないにしたって、私の都合で今日出かける約束をキャンセルしちゃった。だから、その罪滅ぼしじゃないけど、早く帰ってあげたい。できるだけ一緒にいてあげたい。……ううん。私が、げんくんと一緒にいたいって思ってる。

「ただいま〜!」

ほとんど走り続けるようにして、家に辿り着いた。息が苦しい。でも声を張り上げて言う。お待たせ、げんくん。今日は一緒に何しよっか。

「…………?」

あれ?

「げんくん……?」

いつもならすぐに帰ってくる返事が聞こえてこない。げんくん、寝ちゃってるのかな。だったらどこに? ベッド以外で寝てるなら体が痛くなっちゃうから運んであげないと。

起こさないように、私は進んでいく。

「げんくん、どこ〜?」

いつもげんくんが本を読んでいる場所を覗く。げんくんの姿は見つからない。家中のあちこちを探してみても、げんくんはいない。慌てて靴を確認する。ちゃんとある。鍵だって掛かってたから誘拐はないはず。

「げんくん、どこ……?」

どこにもいない。

げんくんは、どこにも、いない。

「え……?」

私は思わず、その場にぺたん、と座り込んでしまった。

げんくん、げんくん?

なんでいないの。どこに行ったの。どうして。

諦めきれなくてあちこちを探す。でもやっぱり姿はない。夜遅くになってとうとう、認めるしかなかった。

あさぎりげん、という一人の男の子は消えしまった。

跡形もなく。なんの痕跡も残さず。

現れた時と同じように唐突に、予兆なんて感じさせずに。

まるでこの世界にあさぎりげんなんて男の子はいなかったみたいに、消えてしまっていた。

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マジモンの名無し(プロフ) - やはり大丈夫ショタが好きだ (10月16日 6時) (レス) @page20 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
猫田尋 - 作者さん!俺をショタコンにして何をしようってんですか!?責任とって更新頑張って下さいよ!? (2020年5月9日 21時) (レス) id: b8b4fe567a (このIDを非表示/違反報告)
ジオネクスト - ああ尊い…可愛い… (2019年11月22日 22時) (レス) id: 031f9c185b (このIDを非表示/違反報告)
冷(仮) - ン”ン”ン” ゲンくん可愛いぃ…頑張ってください…好き… (2019年11月10日 23時) (レス) id: a33aef2e9c (このIDを非表示/違反報告)
通行人F - ありがとうございます...げん君可愛いです...ありがとうございます... (2019年3月25日 17時) (レス) id: 984eb3b612 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜楓 | 作成日時:2019年1月25日 21時

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