検索窓
今日:1 hit、昨日:14 hit、合計:67,509 hit

5 ページ8

長尾side

朝ご飯を食べ、薬を流し込む。

ここまでがオレのルーティーン。

副作用の頭痛と多少の身体の重さは気にしないことにする。

Switchはダイナミクスを持つ人の中でも極端に少なくて、

どちらにでもなれる選ばれし存在なんて言われ方もするけれど、

オレに言わせればただただめんどくさいだけのものだ。

選ばれし者はランクが上の人達だけ。

オレみたいなCランクは他人にダイナミクスの入れ替えが委ねられてしまうから、

本能が顔を出さないように、

制御することができるように、

オレは薬を飲み続ける。

よし、と重たい身体に鞭を打って家を出た。

おはよーございます!と現場のスタッフさんに挨拶をすると、

長尾くん元気やねぇ、と言ってくるのは少し苦手なプロデューサーさん。

身長が高くて、体も大きくて、嫌でも威圧感を感じる。

でも割と局内での地位が上の方でグループでも個人でも何度もお世話になっている。

Domだ。恐らくランクも高い。SかAだ。

と、初めて会った瞬間から分かった。

オレなんて簡単に支配されてしまう。

そう考えると抑制剤を飲んでいても少し怖くて、いつも距離をとっていた。

長尾「あ、ありがとうございます、、

オレ、お手洗い行って来ますね!まだ始まらんみたいなんで、、」

うん、と余裕そうな顔で応えられた。

息を整えてから戻ると、タイミングよく収録が始まる。

当たり前だが、何もされることなく無事に収録は終わった。

1人での仕事を終え、グループでの仕事に向かう。

高橋くんに会えるやん、と嬉しくなるが、

オレなんかが好きになったところで一緒になれる訳でもないのに、とも思ってしまう。

嬉しさと悲しさが混在したまま、オレは車へと乗り込んだ。

6→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
170人がお気に入り
設定タグ:NNW , A! , BL
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。