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はぁ、と朝起きて首をマッサージしながら昔のことを思い出す。

台風が近づいているらしい。

もう10年近くも前になるが、病院に行かなかったツケはしっかりと回ってきている。

心配されるの恥ずかしいとか病院行くのめんどいとか思わなければよかった。

疲れが溜まったり、天気が悪かったりすると決まって首が痛くなる。

筋をやったのか骨をやったのか。

今更病院に行かなかったことを後悔しても遅いのだが。

大橋「丈くん大丈夫?また首痛いん?」

藤原「台風来とるらしいからな、しゃーないわ。」

俺がマッサージしたる、と言われ、

お前がやると痛いやろ、と逃げつつじゃれ合う。

同棲し始めて二年、割と仲良くやっている。

Subの俺とDomの大橋。

こんな自信なさげなDom居るんや、と最初は驚いた。

Domはいつも威圧的で俺たちSubを強制的に支配してくるものだから。

大橋は自分がランクが決して高くないBであることをずっと気にしていて、

Aの丈くんには釣り合わないんじゃないか、としょっちゅう言ってきた。

そんなん関係あらへんで、とやっと納得してもらい、付き合う事ができた。

あんなに素直になったことはなかったと今でも少し恥ずかしくなる。

でも思いっきり甘えられる2人の空間というのは心地良いものだ。

正直あの出来事から威圧的なDomが好きになれない俺にとって、

押し付けがましくない大橋は居心地がいい。

午後からの仕事に備えてのんびりとした時間を過ごす。

ソファに座り俺は大橋にもたれ掛かり、

大橋は俺の髪を撫でる。

遅い朝、Commandのないやりとりでも俺はとても満たされていた。

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作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時

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