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道枝「丈くん、帰ってきますかね。」

涙声になってしまったのを流星くんは気づかないふりをしてくれる。

大西「みっちー、大丈夫や!丈くんなんてオリックスの試合があったら絶対どっからでも出てくるで。」

な!と笑って背中を叩かれる。

流星くんは笑顔を作ってはいたが、目が恐怖に支配されていた。

簡単にそれらをリュックの中に入れて流星くんは手に持つ。

帰ろか、と大橋くんが言い立ち上がる。

俺がパチッ、と電気を消すと部屋は真っ暗になった。

太陽がいつの間にか沈んでいたようだった。

だーいじょうぶや!と言いつつ、

覚束ない足元の大橋くんを大吾くんと正門くんがそっと支えている。

車に着き大橋くんがキーを開けた。

俺運転しよか?

ペーパーは静かにしとって。

なんてやり取りを大吾くんと正門くんがしていて、

みんないつものペースを取り戻そうと必死だった。

流星隣に乗ってや、という大吾くんの手は震えていた。

大ちゃんやめてぇや、という流星くんの目は潤んでいた。

かわええからしゃーないわ、という正門くんの声は揺れていた。

大橋くんはそんな三人を見て諦めたように笑う。

結局流星くんは助手席に乗り込み、俺たちは後部座席に乗った。

一番近いのは俺の家。

一番年下で後輩である俺がいない方がみんな気張らないかもしれないと思って少しほっとする。

大吾くんにここで大丈夫です、と言って停めてもらう。

道枝「ありがとうございました。

……大橋くん、無理しないで下さい。俺年下で後輩やから、頼りづらいかもしれへんけど、、、

少なくとも無理しなくて大丈夫です!俺も長尾も恭平も、無理してるとこなんて見たくないんで。」

バッグを渡しながら伝えると、

いきなりの俺の言葉に大橋くんは驚いていたようだったが、

優しく笑ってありがとうなぁ、と言ってくれた。

じゃ、と大吾くんが車を発進させる。

これからについての不安でいっぱいの中、自分の家へと向かった。

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作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時

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