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大橋「好きなSubの一人も守れへんのに何がDomや!!
あぁ!?戦うんは当たり前や!でも負けたら全部意味ないねん!!
そんなんクズ中のクズや!!!」
床を睨みつけて怒鳴る大橋くんの目からも興奮したことによってGlareが出ていて、
殺されでもするんじゃないかという恐怖を覚え、体が震える。
それに気づいたのか、大橋くんは目を閉じて深呼吸した後、
もう一度目を開けた。
大橋「ごめん。怖かったよな。俺のことありがとう。
末澤と正門も来てくれたんか。」
末澤「レッスン終わって、トイレ行ってから帰ろう思って、正門と歩いとったらえげつない叫び声聞こえてなぁ。」
正門「びっくりしましたよね。。。」
叫び声?と聞き返す大橋くんに説明した。
道枝「長尾がSubDropなったみたいで、めちゃめちゃ叫んで暴れとったんです。」
な?と長尾の方を見れば恭平の腕の中で寄りかかって眠ってしまっていた。
高橋「まーじで押さえるん大変でした。俺らも体上手く動かんかったし。
末澤くんと正門くん来てくれんかったら無理でしたよ。」
うんうんと深く頷いて同意する。
末澤「……丈のことは後でなにわで考えた方がええやろ。
全員は乗られへんけど、動けへんなら送ってこか?
みんな一回帰って休んだほうがええ。」
俺らの顔を見回して末澤くんが言ってくれた。
大橋「俺は車で来とるから。
寝ちゃっとるし謙杜と恭平乗っけてやって。ちょっと俺は送られへんわ。」
大橋くんはさっきまでの迫力が嘘のように優しい先輩の顔に戻っている。
恭平は、ありがとうございます、と長尾を抱えながら言った。
ほい、と二人の荷物を恭平に渡そうとしたが、ええよ、と末澤くんが受け取った。
彼らが一緒に出ていくのを見送る。
正門「ほんまにはっすん大丈夫なん?気失っとったやんか。」
西畑「……ほんまに心配したわぁ。」
大橋「大丈夫や。抑制剤も飲ませてくれたやろ?でも大ちゃん運転してな。
5人なら乗れるから、流星とみっちーも乗ってき?」
大橋くんは少し疲れた顔で笑いかけてくれる。
俺は自分の荷物を背負い、大橋くんの荷物も肩にかけた。
流星くんは散らかった丈くんの荷物をまとめようとして手が止まった。
レッスン着のユニフォーム。使い込んで少し汚れた靴。
どうやって取り戻せばいいか、どこに行ってしまったのか分からない、
頼りになる先輩でありメンバーの痕跡がたくさん残っていた。
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作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時