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道枝side
ガコンガコン、と受け口に缶が2つ落ちる音がした。
手には俺の分のお茶がある。
この2缶のオレンジジュースは長尾と恭平の分。祝杯だ。
しゃがんで取り出すと楽屋へと歩いた。
カチャ、とドアを開けて、座っている2人に差し出す。
道枝「おめでとう。」
みんな俺を見てきょとん、としていた。
当人である2人でさえも。
俺を舐めてもらっては困る。もう付き合いも大分長くなった。
空気がほんの少しだけ変わったのが分かったんだ。
道枝「付き合ったんやろ?」
長尾「み、みっちー!?」
恭平は口をぱくぱくさせて声が出ていない。
道枝「アホな顔(笑)
……とにかく、おめでと。隠すことないやん(笑)」
ほれ、とジュースを再度渡す。
困惑気味に受け取る2人を大吾くんと大橋くんが質問攻めにする。
西畑「マジで付き合ったん!?なんで??どっちから??」
大橋「どういうこと???お互い好きやったん?」
少し耳を赤くした長尾が経緯を説明して、
一通り話し終わるとよかったなぁ、と祝福ムードが楽屋に広がる。
でもそんな中、丈くんの顔はどんどん険しくなっていた。
藤原「謙杜、、、抑制剤どんぐらい飲んどるん?
……常用はしとらんよな?どうしてものときだけよな?…な?」
長尾が気まずそうに目をそらす。
藤原「謙杜、、。体大切にしぃや?分かっとるんやろ?
ボロボロになってからじゃ遅いで?」
長尾「…じゃあどうしたらええ?オレ…
DomにもSubにもなりきれへん、、、
丈くん、教えて、、教えてぇや、、。
オレはどうしたらええですか?どっちにもなれへんオレはどうしたら、、」
恭平の拳がぐっと握られるのが見えた。
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作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時