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大橋side

今日は末澤の家に泊まる。明日帰るな。

業務連絡のような簡素なメッセージが丈くんから届いた。

なんで急に?と疑問に思い、丈くんに電話を掛けるが出ない。

そろそろ仕事に行く準備を始めなければなのにそわそわと気になってしまう。

なんかあったんかな、今日なんの仕事やったっけ、と考えた時に気づいた。

あのプロデューサーさんが居る局だ。

やばい、と思ってまた電話を掛けるが出てくれない。

そうこうしているうちにマネージャーさんが迎えに来てしまった。

心配だが仕事に穴を開けるわけにはいかない。

後ろ髪を引かれる思いで乗り込んだ車の中でふと思いつき、

末澤に電話をかけた。

Prrrrr…

末澤『もしもし。。。大橋か。』

大橋「すえっ!丈くんは?どうしてる?なにがあったん!?」

落ち着けって、という静かな声に我に返る。

俺が焦ってどうするんだ。

末澤「大丈夫。俺んちに居るよ。ちょっと疲れたみたいや。」

よかったぁ、と息を吐いた。

久しぶりに聞く末澤の少々高い声に安心する。

大橋「プロデューサーさんやろ?末澤も仕事やったん?」

マネージャーさんに聞こえないように、声を落として聞く。

末澤「うん。終わった時に丈から電話来てな。

……まぁ、詳しいことは会ってから丈に聞きや。

今は大丈夫やから。安心しぃ。」

ありがとう、と言って電話を切る。

無事だったみたいだしよかった、と思うと同時に、

"今は"という末澤の言葉に引っかかる。

さっきは大丈夫じゃなかったのだろうか。

あぁ早く会いたい、と思いながら車に揺られた。





西畑side

飲もうや、と連絡が来たのは昨日のことだった。

仕事にも余裕がある時期だったから二つ返事で了承して、

あまり大きくない私鉄の駅で待ちあわせをする。

まだ来てないんか、と思いがらベンチに座ってスマホをいじっていた。

正門「大吾。久しぶり。」

ぱっと顔をあげる。気心知れた同期がそこにいた。

西畑「正門。久しぶり。お互い忙しいもんなぁ。」

行こか、とスマホを仕舞ってベンチから立ち上がる。

どこにする?、いつものとこでいいやん、と中身のない会話をして店に着く。

JrながらAぇも仕事が入っていて、

デビューした俺たちと予定が合いづらくなった。

もう昔とは違う。俺も、正門も。

そう思ってもやはり少しは寂しくて、積もる話を肴にお酒を飲む。

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作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時

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