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9話 ページ9




「別に、怒ってないよ。 Aこそ目が合わないけど……らしくないんじゃない?」


薄く笑い、研磨はAの手を掴む力をキュッと強める。
改めて、Aは彼の腕を見た。
運動部で毎日頑張ってる、それが分かる形。
よく考えてみれば、いつも着痩せしているだけで、研磨は自分よりも身長が高いし、幅だってある。
日頃、プリン頭にしか目が行かなかったため、こうして今初めて、気付かされた。


……なんか、ムカつく。 研磨のくせに、私より強そうなのが嫌だ。


ふと、彼と交わした言葉を思い出す。

____私の攻略、研磨にできんの?
____やってみるね。

分かった。
研磨の、自分への攻略は、もう始まっているのだ。


「……なんてね、急に手掴んでごめん。 痛くないようにしたから、そこは大丈夫だと思う。」


ゆっくり、研磨はAの手を離す。

自分があのとき冗談のつもりで言ったそれは、未だ芯を燃やしていたようで。
押された、とAは思う。
自分から火を点けておいて、これでは面子が潰されるではないか。


「やーね、研磨ってば積極的! 内心では私のこと大好きだったんだ? トキメキ?」
「何ソレ、根拠ない。」
「はは、やっぱあんたかわいくない、ブス! や、うそ。 研磨ニャンはかわいーよ」


このままだと先制を取られそうな気がしたので、とりあえず研磨の頭をワシャワシャ掻き乱しておいた。


「難しいなあ。 でも、Aのこと、積みゲーにはさせないよ。」
「ふーん、せいぜいやってみて。 まあ、私の方が絶対的に研磨の上位存在なんだけど!」
「うん。 __そのままでいてね」


___彼らの背後を、黒いトサカ頭が陣取っていることに、二人は気づいていない。


「研磨のお友達かー! Aちゃんだっけ、うちのセッターと仲良くしてくれてありがとうね」


胡散臭いこの男、ここぞとばかりにAへ声をかけてきた。

……研磨は気づく。 腹に一物を抱えた幼馴染のその表情は、何か企みがあるときの顔だ。


10話→←8話 からかいすぎた



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まめ - 番外編…だ、と……?!ありがとうございますッッッ!!! (4月23日 16時) (レス) @page47 id: 99eca05f77 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - 待ってましたぁ!!!ありがとうございます。いやー新学期始まって癒しがなかったもんですからありがたやっ!! (4月21日 22時) (レス) @page47 id: b5371def11 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - なゆちさん» 初めてコメントしてくださったときのこと、覚えています!当初は夢ジャンルに復帰したばかりでしたので、すごく丁寧で温かいあの一言が心に沁みてました🙏毎度、ありがとうございます! (4月21日 18時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 涼夏さん» こちらこそ、そう言って頂けて嬉しいです。長い間、読んでくださりありがとうございます!日頃の癒しになれたのであれば、良かったです🙏 (4月21日 18時) (レス) @page47 id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
なゆち(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉初めてのコメントをしてから約一ヶ月も経っていて、少しびっくりしちゃいました笑食べるさま、とてもかわいい研磨くんの素敵なお話をありがとうございました><次の作品も楽しみに待ってます💞 (4月9日 5時) (レス) id: 782e12ed33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:食べる | 作成日時:2024年3月7日 17時

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