追加コンテンツの攻略法【孤爪研磨】

29話 一緒に住もうよ ページ29

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＿＿多かった、お互いに。
「分かっている」ことが。

気持ちも、考え方も、何が嫌なのか、よいのか、なんとなく分かるのだ。 自分たちは、変に似ているところがあるから。

だから、これも分かる。
攻略するとかしないとか、そんな言い訳を並べて明白にしないまま、自分たちは曖昧さを噛んできた。

ここまで来たのだ。
きっと、Aは研磨のことが好きだし
研磨だって、Aのことが好き。

でもその好きは、恋愛的な意味だけじゃなくて、友愛だったり、親愛といったものまで、含んでる。

一言で表すのは、無理。
だから研磨は、全部ひっくるめた。


「じゃあさ、A。 将来おれと一緒に住もう」


もし彼の幼馴染がこれを聞いたら、色々とステップ飛ばしすぎ！ とか言って怒るだろう。
Aは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに普段の調子に戻る。


「いーね、それ。 シェアハウス的な？ 超楽しそう！」
「ねえ、ちゃんと本気で。 計画とか立てて、家借りよう。」
「ん……？ ちょっと研磨ニャン、話が見えないかも」

「大学で環境変える必要ないよ。 少なくとも、おれ達は変わらないままでいいじゃん。」


冗談ではなさそうな彼の様子に、Aは困惑した。
研磨はよく漠然とした未来の話をするから、一緒に住むというのも、いつものそれかと思ったのだが。


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