27話 柄でもない二人 ページ27
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「その……ごめん、もっと早く来てればよかった」
「ダメ。 研磨のくせに、気遣いとかやめて。 むしろ助けてくれたじゃん！ あのとき絶対グーパン来ると思ったんだよ。 研磨がいなかったら、顔面ボコボコだったかも」
さ、早く帰ろう。 マネさん達がご飯作ってくれてるよ。
Aはさっさと購入した物を入れたビニールを引っ提げて歩き出す。
本音を言うと、A自身、やせ我慢していた。
殴られると思ったあの瞬間、怖かった。
もう思い出したくもないので、とにかく今は、別のことを考えていたかった。
「ねえA、手繋ごう。」
「なにそれ、いいよ。 研磨から手繋ごうとか、絶対この先聞けないだろうなー」
「だって、Aさっきから震えてるし」
「……それさあ、言わないでよ。 私ダサいじゃん。」
コイツ、自分がごまかそうとしていた点を平気で指摘してくる。 視野が広いのはバレーとゲームをするときだけにして欲しいと思った。
研磨が差し出した手に、自分のを重ねる。
彼の手は意外と温かくて、いつもより近くに感じた。
こんなときに、はっきり「一人じゃない」と分かるのは、とても安心するし、救われた気持ちになる。
元カレにどうしても負けたくない意地があった反面、やはり実際に殴られたのが堪えたのか、噛み締めて我慢していた涙が、少しずつ、少しずつ、目からこぼれた。
「……もしかして、泣いてる？」
「うるさい。 それ以上言ったら研磨の服で拭くよ、いいの？」
「鼻水付けないならいいよ。 ハイ」
「なんか、研磨が優しくてコワい。 きもいんだけど。 うそ、研磨サンありがとう」
その日の帰り道、Aは研磨のジャージの裾を少しだけ汚した。
もう研磨ネコしかいらないよー。
涙ぐんだ声、それを聞いた研磨は、何も言わず、ただひたすらAの手を握るだけだった。
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まめ - 番外編…だ、と……？！ありがとうございますｯｯｯ！！！ (4月23日 16時) (
レス) @page47 id: 99eca05f77 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - 待ってましたぁ！！！ありがとうございます。いやー新学期始まって癒しがなかったもんですからありがたやっ！！ (4月21日 22時) (レス) @page47 id: b5371def11 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - なゆちさん» 初めてコメントしてくださったときのこと、覚えています！当初は夢ジャンルに復帰したばかりでしたので、すごく丁寧で温かいあの一言が心に沁みてました🙏毎度、ありがとうございます！ (4月21日 18時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 涼夏さん» こちらこそ、そう言って頂けて嬉しいです。長い間、読んでくださりありがとうございます！日頃の癒しになれたのであれば、良かったです🙏 (4月21日 18時) (レス) @page47 id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
なゆち(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉初めてのコメントをしてから約一ヶ月も経っていて、少しびっくりしちゃいました笑食べるさま、とてもかわいい研磨くんの素敵なお話をありがとうございました><次の作品も楽しみに待ってます💞 (4月9日 5時) (レス) id: 782e12ed33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：食べる | 作成日時：2024年3月7日 17時
