23話 ページ23
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「そっかー。 うんうん、ソウダヨネー。」
「なんで棒読み……?」
あっけらかんとした顔。 黒尾は再度、頭を抱えた。
黒尾には感じていることがあった。
この二人が単なる友人間……なはずはない。
少なくとも、自覚がないだけで研磨はAに対して異様に優しい(俺が研磨の頭なんて撫でようもんなら、キモがられて終わりだ。)し、なんなら気がある。
研磨はこれだが、Aの方はどうなのか?
それを確かめるべく、黒尾は探りを入れた。
「じゃあさ、Aちゃんはもし研磨に彼女できたらどう?」
「えー、ちょっと楽しいですね、コレ。 研磨に彼女かあ、うーん」
がり、Aの口から、スイカの種を潰す音がした。
「ぶっちゃけると、ですよ? 研磨に彼女とか嫌なんで、そうなる前に私が牽制します。 私の方が先に研磨見つけてたし、後から来たヤツ全員蹴散らしたいです。」
ああでも、その点で言うなら、私既にクロー先輩に惨敗ですね。 幼馴染には勝てないかー!
種はどうやらほぼ飲み込んでいるらしく、彼女の周りには一切落ちていなかった。
なにそれ。 この子、恐ろしい!
うちのセッターは、なかなかの地雷物件を抱えているのでは? と心配になる。
「もちろん研磨には言わないでくださいね。 本気で恋愛みたいになったら困るんで。」
黒尾はしみじみ思う。
だから、まあちょっと……いやだいぶ変わってるけど、それはたぶん、実際恋なんじゃないの!? 違うの!?
「そりゃ言わないけどもー……Aちゃん、結構おっかないのね。 研磨に優しくしてやってくれ……。」
「えー、絶対いやです。 いくら先輩からのお願いでも、私が研磨に優しくするのはムリすね」
予防線を張っているのか、はたまた無自覚なのかは分からないが、二人とも性格に癖がある分、変に厄介な方へと向かっている気がする。
黒尾はこれ以上彼らに口を挟むのも、己の力量では問題をややこしくするだけな気がしたので、やめておいた。
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まめ - 番外編…だ、と……?!ありがとうございますッッッ!!! (4月23日 16時) (レス) @page47 id: 99eca05f77 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - 待ってましたぁ!!!ありがとうございます。いやー新学期始まって癒しがなかったもんですからありがたやっ!! (4月21日 22時) (レス) @page47 id: b5371def11 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - なゆちさん» 初めてコメントしてくださったときのこと、覚えています!当初は夢ジャンルに復帰したばかりでしたので、すごく丁寧で温かいあの一言が心に沁みてました🙏毎度、ありがとうございます! (4月21日 18時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 涼夏さん» こちらこそ、そう言って頂けて嬉しいです。長い間、読んでくださりありがとうございます!日頃の癒しになれたのであれば、良かったです🙏 (4月21日 18時) (レス) @page47 id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
なゆち(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉初めてのコメントをしてから約一ヶ月も経っていて、少しびっくりしちゃいました笑食べるさま、とてもかわいい研磨くんの素敵なお話をありがとうございました><次の作品も楽しみに待ってます💞 (4月9日 5時) (レス) id: 782e12ed33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:食べる | 作成日時:2024年3月7日 17時