22話 黒尾先輩と恋バナ ページ22
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ちゃっかり隣に来る黒尾を、Aは訝しげに見る。
ただ、少し図星なところもあり、それが悔しかったのでスイカの種を奥歯で噛み潰した。
「いやなに、珍しく研磨のこと放ってるなーと思って。」
「別に、他校の友達といるんですから、水差すのも違うでしょ」
「へえ。 ……で、ずっと聞きたかったんだけどさ、どうなの実際。 二人ってデキてんの?」
フリーズ。
おっと、これは予測していなかった。
先輩、結構恋バナとか好きなんですか。
頭が茹だる。
夏の暑さのせいか、否、こいつのデリカシーのない発言のせいだ。
自分が研磨を。 どういった意味で取れば良いか分からないため、ここは逃げの一手を使わせてもらう。
「そう見えます?」
「逆にそうじゃなかったら何なの。 あれだけ研磨にグイグイ行っておいて、付き合ってないなんてことある? 黒尾サンこわい!」
「や、付き合ってはないけど、研磨のこと大好きですよ。 お気に入りです。 意地悪しても受け入れてくれるし、かわいいし」
クロー先輩だってそうでしょ?
しゃくしゃくと何食わぬ顔顔でスイカを食べ進めるAを見て、黒尾は頭を抱える。
そうきたか。
あくまで恋愛的に好きかどうか……は曖昧にされた。
正直、この二人に関して、部内では度々議論に上がっていた。
男女で、それも研磨が、あそこまで距離感を無視して仲良くする相手、明らかにこれはおかしいぞと。
付き合ってたらいずれかのタイミングで黒尾には言うだろうし、とにかく研磨があれだけパーソナルスペースを許す女子とは……。
二人の関係は、実は彼らの中でも曖昧なものになっていた。
「いや、ね。 昨日寝る前に研磨が言ってたんだよ。 友達の元カレがうんたら……て。 あれAちゃん、研磨に何か吹き込んだろ」
「あー、まあ、それっぽい話はしました。 でも、何でそれを研磨が気にする必要あるんですか? 面倒くさいの嫌いだろうに」
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まめ - 番外編…だ、と……?!ありがとうございますッッッ!!! (4月23日 16時) (レス) @page47 id: 99eca05f77 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - 待ってましたぁ!!!ありがとうございます。いやー新学期始まって癒しがなかったもんですからありがたやっ!! (4月21日 22時) (レス) @page47 id: b5371def11 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - なゆちさん» 初めてコメントしてくださったときのこと、覚えています!当初は夢ジャンルに復帰したばかりでしたので、すごく丁寧で温かいあの一言が心に沁みてました🙏毎度、ありがとうございます! (4月21日 18時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 涼夏さん» こちらこそ、そう言って頂けて嬉しいです。長い間、読んでくださりありがとうございます!日頃の癒しになれたのであれば、良かったです🙏 (4月21日 18時) (レス) @page47 id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
なゆち(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉初めてのコメントをしてから約一ヶ月も経っていて、少しびっくりしちゃいました笑食べるさま、とてもかわいい研磨くんの素敵なお話をありがとうございました><次の作品も楽しみに待ってます💞 (4月9日 5時) (レス) id: 782e12ed33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:食べる | 作成日時:2024年3月7日 17時