14話 ページ14
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照れ隠しバレてるよー。 研磨に言うと、酷い顔をされたので、これ以上はやめておく。
iPadの画面を明るくし、集計された直近のデータを全員に見せる。
少しだけ右上がりなグラフに、一同はおー! と嬉しそうな声をあげた。
梟谷チームが好戦績を上げている中、自チームのモチベーションを保つことも大切である。
Aは完全に自惚れていた。 これは、流石に有能……。
「研磨のスタミナが……多少なり上がっているだと!?」
「クロ、声大きい……。」
「やっぱあれか? Aを引き入れたのがデカかったかな」
「えー、研磨は私がいるから頑張ってるの!? 何で、どうして?」
ニヤニヤ、ぷーくすくす
意地の悪い顔が二つ、プリン色の猫をいじめる。
もうムリ、ウザイ。 暑いし……。
研磨は、小さく不満をこぼして、風通しの良い方へ行ってしまった。
「ああ、けんま拗ねた。 弱い弱い、もっといじめてやろう」
「A、いい加減にしろ! セッターしてもらえなくなったら、困るだろ!」
「いで、いでで! ヤク先輩痛い! すみません!」
ふん、一喝。 夜久は、Aの頬をつねる。
この部で誰よりも研磨に甘いのは、幼馴染の黒尾でも、穏やかで懐の広い海でもなく、意外なことに夜久なのだ。
次のローテ回るから、諸々の準備! あと、研磨に謝って機嫌取ってこい。
バシッと、背中を叩かれる。 苛烈だが、あくまでも主張が正しいため、Aはこの立派な先輩を前にして逆らえなかった。
「はい……。 研磨ニャン、こっちおいで」
「ばか、お前が行くんだよ!」
「はい! 研磨、やっぱりその場にいて! 私がそちらに向かうので、仲直りしよう!」
研磨の元へ小走りに向かうAを見て、夜久は深く息をついた。
リエーフで手一杯なのに、こっちもかよ!
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まめ - 番外編…だ、と……?!ありがとうございますッッッ!!! (4月23日 16時) (レス) @page47 id: 99eca05f77 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - 待ってましたぁ!!!ありがとうございます。いやー新学期始まって癒しがなかったもんですからありがたやっ!! (4月21日 22時) (レス) @page47 id: b5371def11 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - なゆちさん» 初めてコメントしてくださったときのこと、覚えています!当初は夢ジャンルに復帰したばかりでしたので、すごく丁寧で温かいあの一言が心に沁みてました🙏毎度、ありがとうございます! (4月21日 18時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 涼夏さん» こちらこそ、そう言って頂けて嬉しいです。長い間、読んでくださりありがとうございます!日頃の癒しになれたのであれば、良かったです🙏 (4月21日 18時) (レス) @page47 id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
なゆち(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉初めてのコメントをしてから約一ヶ月も経っていて、少しびっくりしちゃいました笑食べるさま、とてもかわいい研磨くんの素敵なお話をありがとうございました><次の作品も楽しみに待ってます💞 (4月9日 5時) (レス) id: 782e12ed33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:食べる | 作成日時:2024年3月7日 17時