追加コンテンツの攻略法【孤爪研磨】

13話 合宿頑張る話 ページ13

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____男を立てるって言うか……Aはさ、女子なのに、俺を頼る感じ？ が全然ないよな。

中学から付き合っていた元カレとは、その言葉を皮切りにして、去年の夏に別れた。
精一杯の優しさや親切で接したつもりだったのだが、そういった私の積極性は、彼のちっぽけなプライドを傷つけてしまったらしい。


(一歩後ろで、守られてあげるのが正解だったんだろうなー。 懐かしい、ちょうどこの時期)


　夏休み初頭、合宿一日目。
どこからか聞こえる蝉の音が、七月の終盤、本格的な夏が始まったことを知らせている。
遠方から来た烏野高校を迎え入れた体育館は、いつにも増して活気があった。


「研磨の好きなところその一、私に忖度を求めない」
「えっと、急にナニ……？」
「そゆとこ。 ほいさ、これ」


Aが、足取りのおぼつかない研磨の首に保冷剤を当てると、研磨は目を開き大きく息を飲む。
本当に猫のようだったので、それが面白くて何度も繰り返していると、夜久の「あんまりいじめてやんなよ」という注意が横入りしたため、渋々身を引いた。


「それにしても、音駒の記録良くなってますよ。 見てください、イーカンジ！」
「はえー、ハイテク！ なんか会社みたいですね」
「これ第4世代のやつ、わざわざ朝から並んで買ったんだよ。 すごいでしょ、羨ましいでしょ？」


よく分かんねえけど、かっけー！ リエーフは目を輝かせた。
そうよ、リエーフ。 私はかっこいいのだ。 新しいものは常にチェックしてるし、マネージャーの仕事もやってみれば完璧…… 。 おまけに顔は悪くないし、髪も日々の手入れのおかげでサラサラ、ヘアミストでいい匂い。 なんて素晴らしい！


「どうせ、自分は完璧だなーとか思ってるんでしょ……。 リエーフ、Aを調子に乗せたらダメ」
「えええ、研磨さんがそこまで当たり強いの、珍しいっすね！？」


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