夜を歌う小鳥 (ページ8)

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大介の事情後ページ8

「...てなわけで」

その後、一回家に帰らせてくれと頼むと、男は快く承諾したばかりか、なんと従者を二人もつけてくれた。
そのおかげで俺はちゃんと両親に「俺が稼いで二人を楽にさせるから」と、言う事が出来たのだった。

「その恩人って、名前とかわかるの？」

全てを話した後、辰哉が首を傾げ言った。

「んん、名前聞けなかったの。ひょろっとしてて、身なりが良くて...」

「その人、また会えると思う」

「え？どして？」

「ここ紹介したってことは、多分客か照さんの友達だよ」

その時の辰哉は、なんだかアテがあるような雰囲気を匂わせていた。

「でも珍しいな、誰かの紹介なんて」

「えっ？そうなの？」

辰哉によると、ここで働く人員は大体照さんがなんらかの理由で連れてきたのだそう。

「俺もそうなんだ。だから俺はいつか照さんみたいになりたい。あんな若いのに完璧に仕事して、照さんって本当凄いんだ！」

「俺、ずっと気になってたんだけど、照さんってなんであんな若いのに楼主なの？」

「雪華楼は照さんの祖父が始めたんだけど照さんのお父さん体弱くて、すぐに代替わりしたんだ。」

「そんな理由が」

「でも照さん、三代目になる前から雪華楼の経営に携わってたからすんごい優秀なんだよ」

照さんの事を語る辰哉の目は輝いていて、心から尊敬している事が伝わってきた。でもそれだけの感情じゃないような気もする。

もしかして、辰哉って...

「照さんのこと好き？」

好き、という言葉を聞いた瞬間、辰哉の顔は真っ赤に染まった。その反応で答えは明確だった。

「そう、そういうことね。応援するよ♩」

「ばっ、、馬鹿っ！俺はただ尊敬してるだけで...」

「はいはい、照れるな照れるな♩」

「う～......」

こうして辰哉と俺はすぐに打ち解けあったのだった。

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