世界で一番大切にします【JN】 (ページ38)

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ユリ「おはよう。」

『おはようございます。』

どきどきする。
緊張してる。

でも、大丈夫。

ユンギのくれた温かい言葉と、ソクジンさんの優しい歌。
思ってもみなかった2人からのプレゼント。
驚く程私に元気と勇気をくれた。
だから大丈夫。

泣くだけ泣いた！
落ち込むだけ落ち込んだ！
どんな話になろうと、ちゃんと受け止める！

ユリ「昨日は…申し訳なかったわ。」

『………え。』

ぺこりと頭を下げるユリさん。

ユリ「…会食に来る事、会場に着いてからお父様の前で言われて…二つ返事で賛同しちゃったからもう取り消せなくなってしまったの…助けてあげられなくてごめんなさい。あの状況、逃げ出したかったんじゃない…？」

『………あの、えと……？』

ユリ「…もーー……言うつもりは無かったんだけど……黙っててごめんなさい。私社長の娘なの…ヒョヌは…兄なの。」

『え、え…？』

ユリ「これは社員誰も知らない事で…社長の息子がヒョヌだって事はみんな承知よ。でも私がヒョヌの妹だってことは誰も知らないのよ。」

『…あの、私…てっきり…。』

ユリ「付き合ってると思ってた？いいのよ、周りにはそう思われていた方が好都合だから。…私の役目はもちろん将来の為に現場を経験する事、それから…職員たちの本音を感じ取る事…良いことも悪いことも、ね。」

『…そう、だったんですね…。でもどうして私にその話を…今まで秘密にしてきたんですよね…？』

ユリ「ヒョヌが…あなたを気に入ったからよ。」

『えぇ！？』

ユリ「多分これからしつこいくらいにヒョヌがアプローチしてくるわ、だから私の彼氏だと思ってたらあなた混乱するでしょう？…そして実際昨日混乱してたでしょ？」

『とても…してました…。』

ユリ「兄は昔から何不自由なく育って…見た目も良くて…また運動も勉強も何でも上手いことやってみせるから変な自信があるのよね…。女性に騒がれる事は日常茶飯事で…。」

『は…はぁ…。』

ユリ「私はね、あなたと仕事をしたいの。この一大プロジェクトを一緒にやり遂げたいのよ。」

ユリさんのその言葉に、私は目を丸くした。

ユリ「ふふ、私も兄の事言えないんだけど…あなたをとても気に入っているのよ。だからどうしても守りたいの、一緒に成功して喜びを分かち合いたい。」