検索窓
今日:39 hit、昨日:10 hit、合計:325,928 hit

36 ページ36

手を握ったまま、Aはゆっくり眠った。






あれだけ早く起きて仕事に行けば疲れるのも当然。

明日も早く出かけるのだろうか。



そっと毛布をかけてリビングへと向かう。
と、ここにも元気が消え失せた人物がひとり。
疲れたと嘆く弟たちにシャワーを譲ったであろう、リビングで休む優しい優しい長兄。









Y「ジニヒョン。」



JN「あ?」



Y「どうぞ。」



JN「あぁ…。」







水を渡すと受け取ったが、口をつける事なく手に持ったまま。








Y「…ジニヒョン。」



JN「ん?」



Y「A寝ました、泣きながら。」



JN「えっ…そうなの?…元気なかったもんね…。」



Y「ジニヒョン知ってますよね、あの女性。」



JN「…うん、ユリね。まさか一緒に働いてると思わなかった。」



Y「いくらヒョンの知り合いでも、変な理由でA泣かせたら許しませんよ。」



JN「いや、そんな…ユリはそんな事する奴じゃない。」



Y「…あの男も知ってます?」



JN「うん、顔と名前くらいは…ユリの…。」



Y「ですよね、俺も前に聞きました。」



JN「……はぁ…。」



Y「これからたくさん顔を合わせることになりますね。」



JN「んー……はぁ…どうしたら良いんだ?」



Y「…俺はAの味方をするだけです。」



JN「…そうだよな…大丈夫、きっとうまくいくよ。みんなが幸せになる方法があるはず。」









深く息を吐いて、数秒。
ジニヒョンは顔を上げてにっこり笑った。


何というか…本当にこの人は…。
これで良く芸能界を生き抜いてきたな…と思う。

違うか。
この人だから、こそだ。








俺だって…俺たちだって、数え切れないほどジニヒョンに救われてる。

周りのことが人一倍見えていて、愛情深い。
それなのにこうしていざ自分の事となるとこうして不器用に隠れて凹むのか。




俺からしたらヒョンは優しすぎる。


でも、愛しいとも思う。







口に出したら「聞こえなかった」と言って100回くらい言わされそうだから絶対言わないけど。


…今日は聞かないであげよう。
たぶん、この前、絶対Aとジニヒョンの間に何かあった。



問い詰めようと思ったけど今は二人とも、色々と抱えてるみたいだから。

元気になったら根掘り葉掘り聞いてやる。









.








.








.









ねぇヒョン。



俺にもっと勇気と覚悟を下さい。









そしたら俺も一歩、進んでみようと思う。

37→←35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
639人がお気に入り
設定タグ:BTS , JIN   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そー | 作成日時:2019年10月13日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。