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Y「…ジニヒョンに近づくの禁止。」
『ひぁ!!ユンギ…起きてたの?』
もぞもぞとベッドに潜り込んできたAの手を掴むと、驚いてまん丸な目をもっとまん丸くした。
Y「んー…おぶってもらって楽だったから…。」
『もう、ソクジンさんに重たい思いさせて…。』
Y「俺が頼んだ訳じゃない、勝手にしたんだろ。」
『またそんな……でもユンギ、ここではそうやって甘えてるんだね。』
Y「やー、お前ほんっと…!」
くすくすと笑いが止まらないA。
はー。
『みんな良い人だね。』
Y「…だから……嫌なんだよ。」
じ、とAを見る。
少しだけ変わった空気に、戸惑うようなA。
『……。』
.
苦しい。
.
俺達、には言えない言葉がある。
言ってはいけない。
口にしたら全部、崩れるとわかっているから。
だから言わない。
言えない。
でもこんな風にずっと会えてなくて、
ずっと会いたくて溜め込んでた気持ちの時には………思わず溢れそうになる。
全部を我慢できるほど俺は大人にはまだなれない。
だから、手を伸ばす。
拒むことなく受け入れられた手は細い腰に辿り着く。
出来るだけ優しく引き寄せれば遠慮気味に背中に回ってくるAの手。
きゅうっ…と感じる力に、あぁ、寂しかったのは一緒だなと嬉しくなった。
可愛い可愛い俺の、妹。
どうしてこんな形で出会ってしまったのか。
いっそ存在を知らなければ良かったのか。
何度考えたかわからないその想いに答えなんてないけれども。
出会わなかった自分をもう想像出来ないくらい、Aは俺の一部になっていた。
過剰だと言われようがまだ手放してやる気はこれっぽっちもない。
.
.
少なくとも、Aの気持ちが同じでいるうちは、絶対に離さない。
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作者名:そー | 作成日時:2019年10月13日 21時