第五十二話 ページ8
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ふんふふーんふふんふすーん...♪*ﾟ
隣の部屋から小さいな鼻歌が聞こえる。
剛くんかな？
私はその声に耳を傾けた。
防音室があるのに小さな部屋で曲作りだろうか？
剛「うーん、ふふーんふふすーん
……すーん」
ふふふーんすーんってなに？
すーんってなに？
剛「なあ、光一。
これってさ、ここ、すーんのとこ。」
光「ん、」
あら、光ちゃんもいたんだ。
剛「ここ、すんふん〜んすーんふんやったらあかん？」
光「うん。ここはふんふふーんすーんやろ。」
剛「わかった、じゃあすんすんね。」
謎の掛け声は曲作りと言うより、宇宙人を呼ぶ呪文のようだ。
今度は剛くんのブツブツとつぶやく声が聞こえてくる。
「よく聞こえないなぁ」
耳を澄ませるがなかなかその声は聞き取れない。
剛「君の言葉を〜ん、光一どこ行くん？」
光「飲みもんとってくるわ何いる？」
剛「じゃあオレンジジュース！かコーラ」
相変わらず子供っぽい飲み物だ、なんて考えてる場合じゃない！
ここは部屋の前、出てきたら出くわしちゃう！！
すくっと立ち上がりリビングへ向かった。
光「何してんねん」
なんて上手くいくはずもなく、立ったと同時に光ちゃんが現れる。
「あー、これはその…」
光「まぁ、ええわ運ぶの手伝って」
そんな上からのお願いに従う以外の選択肢はないわけで……
ジュースをコップに注いで持っていく。
光ちゃんは自分の珈琲を作っている。
「あれ？光ちゃん珈琲なら、二人分いらないじゃん。」
自分の目の前のガラスコップにはコーラとオレンジジュースが注がれている。
光「剛が選べるようにするのと、Aも一緒に作るからその分。な？」
「え、私入ってもいいの？」
2人の曲を作ってるのに私が入ってもいいのかな？
光「お前の曲にしたらええやん。」
よし、できた！と珈琲片手に部屋に戻る光ちゃん。
あの空間に入れるならそれ以上の幸せはないだろうと思った。
……
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作者名：さわ | 作成日時：2018年11月27日 13時
