WEST短編集 (ページ4)

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伝えたが、伝わらない① ページ4

緑side

Jr.の頃は、他の先輩達と変わらず、優しい兄ちゃんみたいに思っとた
けど、同じグループでデビューしていつからかそれが、変わっとた

ワチャワチャと触れ合いが、多い俺達
当然、それをスタッフさんやファンの人達が、求めとるのは、分っとる
だから、偶に監督さんに抱き着き禁止令が、出たりするんよ

それは、ええんよ？
ただ、のんちゃんとの絡み多ない？
一方的なんは、分かるけどカメラが、好きな照史やもん
呆れながらも、末っ子キャラで甘え上手なのんちゃんやから、毛嫌いにせんし受け入れる

「ええよな…」

赤「何が？」

「好かれとるって」

赤「何や、神ちゃん悩んでるんか？」

そう大声で言うシゲに、楽屋に居ったメンバーが、俺を見る

黄「今日、ご飯行く？」

桃「どうしたん？神ちゃん」

「うーん…ごめん、また今度で、どうもしてへんよ」

そう淳太の誘いを断って少し、のんちゃんに当たってしまう俺ってちっさいよな

橙「どこ行くん？」

「ジュース買ってくる」

そう言って楽屋を出たけど、皆何で？って思っとるやろうな
だって、俺が座っとた近くにあったんやから
でも、楽屋から出たかってん

自販機の前で、服の上から、財布を探すと、楽屋に置いて来た事に気付いて
自販機の隣に置いてあるベンチに座り溜息を１つ

「何やってるんやろう俺アホやん」

誰も、居らんと思い呟いたそれは、ココナッツの香りの人物によって1人言じゃ無くなった

橙「もんちは、アホちゃうよ」

「何で…来たん？」

橙「悩んでるんやろう？気になるやん」

「のんちゃんは、ええの？」

そう聞けば、笑われた

橙「望？何で？」

「いっつも、一緒やん」

橙「もんちとも、一緒やん」

「ちゃうもん」

そう言い顔を避けると立ってた照史が、俺の隣に座る

あー俺、今かっこ悪
分かってんねんのんちゃんに嫉妬してるんは
でも、嫉妬する程いっつも一緒やねん

メイキングは、勿論そうやし
何かと言えば、照史の傍に行くし
何でなん？俺の方がのんちゃんより先に照史に会ってるんやで？

照史と顔を合わせん様にそっぽを向いとると、不意に頭を撫でられる
それに吃驚して、照史を見ると、優しく笑とった

「…何…？」

橙「何なん？何でそんなに可愛いん？」

そう言われ、わしゃわしゃと激しく撫でられる

「な、え？」

橙「もー！もんち可愛い過ぎ！」

「は？可愛いのは、照史やん」

橙「っ、ありがとうそう言う所好きやで」