第五話・私特製スペシャルリゾット ページ6
「あぁ、つっかれた……ただいまぁー」
「お、おかえりなさい……？」
「えっ！？」
例の男の子をおんぶしながら帰った後、やっとの思いでベッドまで運んだ。今はこの子が起きた場合を想定し、近所のコンビニまで走ってきた所だ。私も夕食、食べていなかったし。
へとへとになりながら、ズルズルとビニール袋をかかえて家にたどり着く。半ば癖になりつつある「ただいま」を、言うと、聞こえる筈のない声が。
う、わ。起きた。良かった！思わず荷物を床に落とし、パタパタと駆け寄ってしまう。ぎょっとさせて悪いけれど、私のテンションは疲労が飛ぶほどに上がっている。見逃してほしい。
「君！起きたんだね？本当に良かった！傷以外で調子の悪い所は無い？今、おかゆ作るから……」
玄関まで戻り、置いてけぼりにしてしまった荷物を持ってくる。中からおにぎりを出し、包装を剥いで海苔とご飯にわける。視線を感じたのでぱっと振り返ると、先程起きた男の子がこちらを見つめていた。ので、二コリと微笑み返す。申し訳なさそうに、少し視線をずらして苦笑いする顔は、なんとも可愛い。
ご飯とカップ一杯の水を鍋に入れて火にかける。途中で少し出汁と醤油を加え、煮立たせる。冷蔵庫から出した卵を溶き、回しいれて、火を止める。するとあら不思議。あっという間になんちゃってリゾットの完成だ。
器に移し替えて、に男の子の所に持って行った。キョトンとしているけれど、もしかしてお腹空いてなかったりするのだろうか。
「あの、良かったら食べる？作ったんだけど、よくよく考えたら今夜中だし、お腹空いてないかなぁって……要らないなら食べちゃうけど」
「……！頂けるんですか？」
「えっ、勿論」
そ、そうか。この子は、私が食べるために作っていると思っていたのか。ならばあのキョトンとした顔も理解できる。君の為につくってたんだぞぅ。この子は、誰かに何かをしてもらったことが少ないのだろうか。案外家庭内の事で悩んでたりしているのかもしれない。
目の前のこの子が、少し眉を下げて遠慮する。けど、すぐにお腹の虫がなった。よーし、私のスペシャルリゾットを食べると良いよ。
「はい、どーぞ」
「あ、あの、机で食べさせてください。お行儀悪いし……お布団汚してしまうかもしれませんし」
「はは、気にしなくて良いよ？まだ本調子じゃないんだし、このまま食べて」
「でも……」
ちょっと考える素振りをした後、おずおずとした様子で頂きます、と手を付けてくれた。
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みたらしだんご(プロフ) - senaさん» ありがとうございます！！明日のsenaさんのこともおうえんしています！ (2018年12月22日 21時) (
レス) id: 8a0d382133 (このIDを非表示/違反報告)
sena(プロフ) - とても良かったです！読みやすくてすごく好きな作品の１つになりました！このまま更新の方も頑張ってください！ (2018年12月22日 21時) (レス) id: b464a1a9bd (このIDを非表示/違反報告)
みたらしだんご(プロフ) - ビックリリンカさん» わあ……！有難うございます。その言葉が私の糧です……！これからも頑張ります。よろしくお願いします！ (2017年9月9日 0時) (レス) id: 918466f6dc (このIDを非表示/違反報告)
ビックリリンカ - 凄く面白い作品でした。更新頑張ってください (2017年9月7日 6時) (レス) id: 93f09a25c9 (このIDを非表示/違反報告)
みたらしだんご(プロフ) - ももいちご。さん» こちらこそありがとうございます！文字間ですか……意識して書いてみようと思います。ありがとうございました！ (2017年9月2日 7時) (レス) id: 748641650d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みたらしだんご | 作者ホームページ：https://twitter.com/?lang=ja
作成日時：2017年8月22日 17時
