第十九話・二千年代初頭の進歩具合とは。 ページ20
「どうしようかな、これ」
僕は今、机の前でおにぎりとにらめっこしている真っ最中だ。と、いうのも、朝食を作った余りものでお弁当を作ってみたんだけど、それを伝える前にAさんは飛び出してしまった。お昼を買うために必要だろう、お財布まで置いて行って。
……そういえば。
ふと、Aさんから貰ったメモを思い出し、そちらに目を移す。確か、Aさんの通っている学校が書いてあるはず。
「あったあった。『清烙大学 文学部 日本歴史学研究科 江戸文学専攻』……？住所も書いてあるし、行けるかな」
僕はこの街について何も知らない。だから、この街について少しでも情報が欲しい。
どう考えても、僕は暫くの間Aさんにお世話にならなくちゃいけない。と、思う。
自分がこの街にどうやって来たのか、どうしてあの路地裏に倒れていたのかすらわからない現状を鑑みるに、きっとすぐには帰れないんだろう。
「……よし。」
行ってみよう。Aさんにお弁当とお財布を届けるついでに、街の散策も兼ねて。
* * *
部屋をでて、鍵を閉め。外を見渡した僕は、びっくりして声が出なかった。
とにかく、空が狭かった。
空が狭い。そこら中に、人や建物がひしめき合っていて、車がせわしなく動いていて。周りは同じような風景なのに、迷いなく進む人達に眩暈がした。
僕等が戦っていた時代は今から二百年くらい後だけど、僕らが馴染みやすいようにする為か、生活の基盤は和風建築だった。勿論街も、城下町といったような趣だった。
だから、こんな景色、見たことない――！！
一瞬呆然としてしまったけれど、頬をぱちんと叩いて気を入れ直す。圧倒されてしまったけれど、僕が暫く世話になる街だ。慣れなければ。
確かAさんは、家を出て右手の方に少し歩くと地図看板があると言っていた。それを目指して進み、少し経って辿り着くことが出来た。なるほど、確かに学校と家の距離は近いみたいだ。
相変わらず人混みがひどいけど、進むべき方向は理解した。
頑張るぞ、と気合を入れて、僕は目的地へ歩みを進めた。
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みたらしだんご(プロフ) - senaさん» ありがとうございます！！明日のsenaさんのこともおうえんしています！ (2018年12月22日 21時) (
レス) id: 8a0d382133 (このIDを非表示/違反報告)
sena(プロフ) - とても良かったです！読みやすくてすごく好きな作品の１つになりました！このまま更新の方も頑張ってください！ (2018年12月22日 21時) (レス) id: b464a1a9bd (このIDを非表示/違反報告)
みたらしだんご(プロフ) - ビックリリンカさん» わあ……！有難うございます。その言葉が私の糧です……！これからも頑張ります。よろしくお願いします！ (2017年9月9日 0時) (レス) id: 918466f6dc (このIDを非表示/違反報告)
ビックリリンカ - 凄く面白い作品でした。更新頑張ってください (2017年9月7日 6時) (レス) id: 93f09a25c9 (このIDを非表示/違反報告)
みたらしだんご(プロフ) - ももいちご。さん» こちらこそありがとうございます！文字間ですか……意識して書いてみようと思います。ありがとうございました！ (2017年9月2日 7時) (レス) id: 748641650d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みたらしだんご | 作者ホームページ：https://twitter.com/?lang=ja
作成日時：2017年8月22日 17時
