op14…プレグレ5…松太 ページ8
桜｢どうしたの刻阪さん？｣
宴はびく、と身を硬直させ、ゆっくりと口を開いた。
宴｢…………あのね、弦野さん｣
桜｢また、前みたいに｣
宴の言葉を遮り、桜は冷たく言い放つ。
桜｢“仲直りしたい”…とか、まだ言うつもりなら私帰るからね｣
宴｢…………違う！｣
宴が声を張り上げる。
風が止んで、2人の間に残るは静寂のみ。
宴｢………1つ、言いたい事がある｣
桜｢何？｣
宴｢待ってて欲しい。｣
桜は視線を落とす。すると、包帯の巻いてある宴の手首が視界に入った。
桜(治ってないんだ)
桜は少しだけ顔を顰めた。
宴には少し、自傷癖がある。
それは2人が知り合って、親友になって。暫くは治まっていたはずだった。
宴｢次の合奏、絶対に来てね｣
桜｢…はっ、なんでまた｣
宴｢…………｣
宴はジッ、と桜を見た。
宴を認めていないわけではない。
親友だったから、宴の良さは知っている。
でも、どうしても桜は宴の卑屈さが気に入らなかった。
だからこうして距離を取って、対等だと思えるようになったら、また──
宴｢私は、神峰くんみたいになりたい｣
桜｢…それは無理でしょ｣
腕を組んで、桜は続ける。
桜｢アンタは賢いから翔太や刻阪…響みたいにバカ正直には突っ込めない｣
宴｢それは、わかってるよ。それでも──私は、変わりたいから。少しずつでも｣
宴は視線を泳がせてから、続けた。
宴｢神峰くんや響みたいにはできないけど。でも、私にできる事をしたい｣
桜｢………ふぅん｣
桜は鞄を漁ると、何かを宴に投げ渡す。
そしてそのまま何も言わず、公園を出ていく。
桜｢そうやって手首切ってる間は無理だと思うよ！｣
宴はぽかんとしたまま、去っていく桜の背を見つめる。
傷付いたその手には、新品の包帯が握られていた。
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なんだかよくわからないし長くなってすいません…！！
バトンタッチです！！
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作者名：松太and桜ねこ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年1月24日 15時
