ロイヤルミルクストーリー

混ざり合っていく・・・１ ページ32

赤side



初仕事を終えて、
(ほぼ遊んどったんやけど)

慣れへんことして神経が冴えてたんか、

夕方、太陽と寝てしもたせいか、
なかなか寝付かれず。


ちょっと寝不足。


昨日お土産にもろたカヌレを朝ご飯に食べて、

コンビニの早朝バイトに向かいつつ、

執事の仕事て、そういや休みもらえんのかな、

なんて考える。


週に２回家庭教師のバイトあるし、
愛夏にクリスマスプレゼントだけは買いに行かなあかんねんけどな。



大学の近くのコンビニで、
知り合いに会うんが恥ずいねんけど、

講義始まるギリギリまで働けるのはありがたい。


品出ししてたら、自動ドアの開く気配して。


「いらっしゃいませ」


ふと顔上げたら、入って来たのは神山くん。


今朝は藤井くんと二人や。


俺を見て、照れくさそうにしてやる。

そいで。


タブレット一つだけ持って、
レジにやって来た。


別れてから半日も経ってへんのに。

朝から会えて嬉しいな、なんて。


「いらっしゃいませ」


「おはよ、重岡くん」


「おはよ」


「バイト終わるの待っててええ？」


「へ？」


神山くんて、
意外とぐいぐい来るねんけど、

照れた笑顔が控えめで、
それを感じさせへんのよな。


「やっば、あかん？」


「ええけど、あと１０分あるで？寒いやろ？」


「ここでコーヒー飲んでおく。
カフェモカも下さい」


「ありがとうございます」


庶民のコーヒー、口に合うんかな？


紙のカップ手渡しつつ、


「使い方、分かりますか？」


何気なく聞いてから、

失敗やったと思い出す。


案の定、ぷうっと膨れた神山くん。


はあ、可愛え。


「やったことないけど、多分分かるもん！
多分やけどボタン押すだけやし！」


「多分で合ってるで」


あんまり可愛ええて、くすくす笑ってまう。


「ああ、バカにして笑ってる！」


神山くんは拗ねてもうたわ。


「ごめんごめん、そんなんちゃうねん。
ムキになる癖、可愛ええからな、つい」


なんや、小学生が、
好きな子からかうみたいなってもうたなって。

後から顔から火が出そう。


神山くんも真っ赤っかやしな。


「俺、邪魔やったら先行くで？」

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