ロイヤルミルクストーリー

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あ、でも、割ったら、このお皿たち、
目ん玉飛び出るような値段かも・・・


「むう。
俺がやるの！
俺、紅茶淹れるの得意やねんで？
教室通って習ってん」


また出た、可愛え、ムキになるのん。


「へえ！
凄いなあ。
やっぱり教養が違うねんな」


「そんなんちゃうけどな。
俺、お菓子大好きやから。
食べたいから習ってん」


可愛えっ。


お菓子大好きて。


「神山くん似合うてるもんな、お菓子」


「？？？お菓子って似合うとかあるん？」


可愛ええ、ってことやけど、

やっぱり、よう言わんな・・・


「毎日食べてそうってこと」


「ふは、当たり！
俺、甘いもの大好きなん！」


ティーポットから注がれる紅茶のええ香り。


「癒されるなあ」


「良かった。
アッサムティーやで。
シナモンスティックで混ぜてな。
おやつも好きなだけ食べてな」


「ありがとな。神山くん、これ何？」


「ん？それはカヌレ」


「カヌレ、カヌレ、カヌレ・・・」


覚えよ。


「これは？」


「それはマカロン。
重岡くん、何味が好き？」


見た目では味なんか分からへん。


とにかくめっさ芸術的なお菓子たち。


俺のよう食べてるスナック菓子とは、えらい違いやって。


「何味か、見た目で判断出来ひんねんけど・・・」


「抹茶にフランボワーズ、紅茶、チョコ、ピスタチオ、
塩キャラメル、イチゴ、柚子、バニラ、ティラミス・・・」


可愛い言葉を羅列する、
小鳥のさえずりのような、綺麗な声。

聞き惚れてたから、内容があんま頭に入ってこんかった。


「神山くんのお勧めで」


「俺はね！色々好きやけど、
今は抹茶味とピスタチオにハマってるん！」


「どれ？」


「りょうほ、緑の」


「綺麗な色。
神山くんに似合うな」


「へへっ、なんか照れる。
それとな、やっぱり定番の塩キャラメルとティラミスは美味しい！」


それが定番言うのが、俺の理解を超えてるけど。


「神山くんの好きなやつにする」


「ふふ、お揃いな」


二人でおやつして、

それから、真面目に課題に取り組む。


予習と復習も。


「重岡くんて、やっぱ賢いなあ。
返済不要の奨学金もろてるんやろ？」

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