ロイヤルミルクストーリー

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濱田さんは、神山くんに敬語は使わんらしいな。


「ちゃうしな！
濱ちゃん、重岡くんに余計な事言わへんかなって、
ちょっと心配なっただけやからっ！」


ほんますぐムキになって。


なんでこない可愛ええんやろな。


遠巻きに見てた時のイメージとは違う。


もっとお高く止まってるかと思てた。


「守秘義務は守りますよ。
な、重岡くん？」


「ふえ？神山くん、なんか秘密でもあんの？」


「・・・な、な、ないしっ」


慌てふためいて、
あります、言うてるようなもん。


ま、追求せんでもえっか。


神山くん、濱田さんには甘えてるねんな。


俺にも段々、気ぃ許してくれるようなるかな。


「ほんなら、俺はこれで。
仕事内容はこのノートにまとめといたから。
いうても、智洋坊ちゃん専属やし、
ご主人様本人の指示に従って。
重岡くん、頑張ってな。
坊ちゃん、では、しばしお暇頂きます」


濱田さんは、裏手に停めてたバイクに跨ると、
颯爽と去ってもうた。


濱田さんがおらん間の代役ってことか。


その間に新しいバイト探せるし、
ほんまありがたい。


「では智洋坊ちゃん、本日よりよろしくお願いします」


かしこまって言うたら、
神山くん、照れた。


「坊ちゃんはやめて。
神山くんでええん」


「ほんなら、神山くん、まずは何を致しましょう？」


「重岡くん、ついて来て。
まず紹介したいねん」


「誰を？」


「俺のわんこ。
まずは、わんこのお散歩が仕事」


「分かりました」


「敬語はやめてや。
濱ちゃんも使うてなかったやろ？」


「けど」


「ええの。
一応、これも指示やで？」


「あ、はい、うん」


「なら行こっ」


神山くんが俺のコスプレ制服のシャツの袖口引っ張ってきた。


この甘えられ方はヤバい。

男なら誰でも、ドキッとなるやろ。


「あ、ごめん。
俺、馴れ馴れしくして」


この、しおらしい感じ。

男心くすぐる要素しかない。


「ううん、全然ええで？」


正解が分かれへんって！


さっきみたいに甘えて欲しい、


自分の中の願望に、

誰より驚いてるんは俺やねんもん。


「ほんま？重岡くん、嫌とちゃう？」
　

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