ロイヤルミルクストーリー

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二人とも柔らかい雰囲気で、

お似合いっちゃお似合いやし。


貧乏学生でひしめき合うてる地下牢、やない、地下食。


「重岡くんたちの席、一緒に座ってもいい？」


神山くんが遠慮がちに聞いてくる。


昨日はあんなぐいぐい来たのに、不思議な子。


ちらってお伺い立てるように俺を見て、
買った食券、得意げに、かざして見せてきた。


その仕草に、危うく、ドキッとなりかけた。


何なん、この破壊力は。


この子には全く意識ないんやろうけど、


そこらじゅうの男心、ぶち抜きながら、
歩いてるようなもんやわ。


「ええよ、どうせもうすぐ食べ終わるとこやし」


「そうなん・・・」


なんで、しゅんとするねんて。


「重岡くん、プリン食べた？」


「いや、今日は食べてへんで」


「ちょっと待っててな。絶対な！」


焦って言うて。

たっかそうな財布から１００玉出して、
もう一枚食券買ってる。


そんで、俺に差し出してきた。


「はい、一緒にプリン食べよ」


にこにこしてるねんて。


「えっと、なんで？」


「はっ、いや、プリン美味しいって教えてくれたから！お礼！」


「そんな理由でもらうわけいかんし。
昨日から過剰なお礼もろてるし・・・」


「迷惑？」


そのしょんぼりの顔、やめって！


「迷惑ではないよ。
お腹減ってるしありがたいけど」


「お腹減ってんの？」


失言した。


「ならラーメンも買おかな。
重岡くんに食べて欲しいん」


あかん、どうしよう。


誰か俺に断り方を教えてくれっ。


救いを求めようと、振り返ったら、
いつの間にやら、照史おらんなってんねんて！


出口んとこで、ニヤニヤしながら、こっち見とって。


「グッドラック」


そう口パクで言うて、出てってもうた。

















金持ちの考えることは、ほんま分からん。


絶賛庶民の暮らし見学ツアーでもやってんのか？


３人で席に着いたけど、


小瀧くんは、ほんまに何も食べんと、
俺を睨みつけとるだけ。


がるがる言い出しそうな、
不満顔しとる。


別に俺なんか威嚇せんでええのに。


神山くんはって言うと。

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