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頬から頭の後ろに回った手
息遣いが分かるほど近い距離
馬鹿な私にも分かる行為の予感
.
思い出すのは
幼い頃、隆弘から貰ったキス
.
いつものように隆弘が窓から侵入してきて
驚かせたくてベットで寝てるフリをした
.
あろう事か
そんな私に隆弘はキスをした
.
触れた唇が熱くて
幼い日の過ち
幼い日の思い出
あの時気づいた隆弘への気持ちは
今は私を苦しめて縛り付ける
.
だめ、隆弘
幼かったからこそあの頃は許されていた
.
少しだけ大人になった私たち
今キスなんてしたら
私はきっと壊れてしまう
.
ﾄﾞﾝｯ
隆弘の体を強く押し退けて
.
とにかく走って
あの光景から
真司郎から
隆弘から
私は逃げた
.
家に着いた途端、ベットに飛び込む
.
何を勘違いしてるんだろう
私たちは ただの偽者の関係
彼にとってはただの暇つぶし
何を動揺しているんだ
.
悔しくて悲しくて
涙が溢れるのが不思議
現実から背けるように１人静かに目を閉じた
.
でも肌寒くて目が覚めて
その原因は窓が空いてたから
「...閉めよ」
寝起きで重い体を起こして
窓に手をかけた瞬間、私の動きは止まった
隆弘の部屋の窓の隙間から聞こえる
女の人の甘い声と吐息
響くリップ音
さっきまで私にキスをしようとした唇が
今は残酷なほどに音を立てて
.
反射的に私は家を飛び出して
無我夢中で走った
雨が降ってることなんて気にせず
走って走って
涙は溢れて止まらなくて
.
そして力尽きてしゃがみ込んだ
ずっと走っていたから
ここがどこかも分からない
誰もいない何も無いところに行きたかった
髪も服も顔も濡れてぐしゃぐしゃで
自分の汚さと醜さを思い知る
.
ねぇ、隆弘
私もあなたに愛されたい
「隆弘...好きよ」
そっと呟いた言葉は
ただ宙を舞って儚く雨音に消されて
大好きな青い空は黒く染まってしまって
.
そしてなぜか、不意に
真司郎の顔が思い浮かぶんだ
.
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かおり(プロフ) - 続き待ってます（ ; ; ） (2018年4月15日 20時) (
レス) id: c8d934a26a (このIDを非表示/違反報告)
桃果(プロフ) - ななさん» これからも楽しみに拝見させてもらいます！ (2018年4月15日 15時) (レス) id: b13e5410d1 (このIDを非表示/違反報告)
桃果(プロフ) - ななさんが書くお話全部大好きです！更新頑張ってください！ (2018年4月14日 8時) (レス) id: b13e5410d1 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 私ななさんのこの話とっても好きだ毎日読むのが楽しみです。沢山の更新まってます！！ (2018年4月13日 23時) (レス) id: 15ac7074ef (このIDを非表示/違反報告)
yuyuhello(プロフ) - 毎回毎回楽しく読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2018年4月13日 23時) (レス) id: 6196869619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なな
| 作成日時：2018年3月18日 18時
