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蒸し暑さが肌に沁みる
夏の名残を纏う9月の早朝
．
長い夏休みを終えて、始業式の日を迎えた
.
休みで鈍ってしまった体を起こして
どうにか学校への支度を整えて、家を出た
.
隆「...おはよ」
少し不機嫌そうに私を待っている
犬みたいな寝癖が彼の眠気を表している
.
「おはよう」
隣同士の家、同じ年に誕生した私たちは
生まれた瞬間から幼馴染
幼稚園、小学校、中学校、そして高校さえも
全ての時間を一緒に過ごしてきた
.
そして、昔から家の前で待ち合わせる
朝一番のこの時間が1日の始まり
隆「...あ〜寝癖治すの忘れた」
「犬みたいで良いと思うよ」
隆「捉え方によっては褒め言葉ではないね」
「褒めてるよ〜、お茶目だわん」
隆「お〜、煽るね(笑)」
そんな、何気ない会話
きっと帰宅する頃には覚えてない内容
それでも、この時間は
1日の始まりには大切な時間
.
いつも通りの雰囲気
いつも通りの会話
昔から変わらない、信頼を置ける親友
.
昔も、今も、これからも
私たちの関係は変わらないはずだった
.
後ろから、誰かが駆け寄ってくる音が聞こえる
川「西島くん〜！」
隆「おはよう、先輩」
川瀬小夏さんは私たちの1歳上の先輩
.
川「今日もAちゃんと登校？本当に仲良いね〜」
隆「親友だからね」
川「...やきもち焼いちゃうな」
可愛らしく頬を膨らませて
隆弘に腕を絡めた女の子
.
変わらないと思っていた関係に
少しずつ距離が出来始めたのは
隆弘に彼女ができた日から
．
小柄で可愛らしくて小動物みたいな先輩は
美形な隆弘とは、あまりにもお似合いで
隣にいたはずの私は
いつの間にか、彼らの何歩も後ろを歩いていた
.
心の隅から中心へ
黒い感情が、少しずつ染み込んでいく
.
「私、日直だから先に行ってるね」
.
これ以上は、真っ暗な気持ちになりそうだったから
思い付きの嘘を言って2人を追い越した
．
こうやって、自分の気持ちに嘘をついて
足早に逃げるんだ
.
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かおり(プロフ) - 続き待ってます（ ; ; ） (2018年4月15日 20時) (
レス) id: c8d934a26a (このIDを非表示/違反報告)
桃果(プロフ) - ななさん» これからも楽しみに拝見させてもらいます！ (2018年4月15日 15時) (レス) id: b13e5410d1 (このIDを非表示/違反報告)
桃果(プロフ) - ななさんが書くお話全部大好きです！更新頑張ってください！ (2018年4月14日 8時) (レス) id: b13e5410d1 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 私ななさんのこの話とっても好きだ毎日読むのが楽しみです。沢山の更新まってます！！ (2018年4月13日 23時) (レス) id: 15ac7074ef (このIDを非表示/違反報告)
yuyuhello(プロフ) - 毎回毎回楽しく読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2018年4月13日 23時) (レス) id: 6196869619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なな
| 作成日時：2018年3月18日 18時
