10話 ページ10
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葵「あ、ここです。送って下さってありがとうございました。」
職業上、VIPの方々でこういう職業柄の方は普通にいらっしゃる。
メモに自身の名前と店の名前を書き、運転手に渡す。
葵「これをあの方にお渡し下さい。お礼に、と。」
会釈し、去っていった。
鍵を取り出し、Aの家に入ろうと扉に手をかけた。
背後から来た気配に振り返ろうとするが大柄なのか軽く抱きしめられる形になっていた。
葵「なｯ…だ、誰……」
上の方から手を握られて鍵を取られてAの家に入った。
入った途端、抱きついてきた変態を突き飛ばして玄関の扉を閉じようとするが、顔面を見てその手は緩められた。
楽「……大柄の男に背後から抱きつかれて振り払えないのであれば、極力自分より大柄の人間と行動することをオススメします。それか鍛えなさい。」
葵「楽、さん……。すみません、びっくりしてしまって…」
へなへな、と腰を抜かしてしまって中々立ち上がれないなか、腰に手を回されて、やっとの事立ち上がれた。
楽「大丈夫ですよ、僕が貴方達を襲うことはありません。あぁ……1つ聞きたい事がありました。槙に対してどういう感情を持っていますか。」
葵「ま、槙さんに対して…？えと、憧れ…と言いますか…助けて頂いた事がありましたので好きではあります。」
葵「…likeの方ですか。」
葵「like……ん"〜………い、一応loveの方ですが、憧れに近いです。」
楽「分かりました。諦められるように伝えておきます。僕は槙の恋人ですので恋愛的には諦めて下さい。諦めて頂けるのであれば特に貴方に噛み付くような事はしません。」
槙さんの恋人。
そっかぁ、そうだよなぁ。
あんなに格好いい人だもの。
葵「…了解しました。俺はスッパリ諦められると思いますがここの家主は強敵です、とだけ伝えておきますね。あ、あと……このままAと会うんですか？」
楽「えぇ。1号店店長と会話します。貴方の考えている事は察せます。次会った時までにVIPを増やす事、それがまだ出来ていませんね。店内だけというルールを設けますのでまだ問題ありません。」
葵「了解です。あ、こっちの部屋にAいます。」
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作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
