33話 ページ33
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黒服に表を任せて裏に彼の手を引っ張って連れていく。
女の子達が彼を見て顔を明るくさせてスキップしながら仕事に戻って行った。
扉を閉めてソファに座らせて前から太ももに座って抱きしめる。
抱き締め返してくれる温もりと彼の香り。
「ごめんね葵。」
葵「……ん、何でいなくなった。遅いし、みんな心配してたし、迷惑かけすぎっ。」
「やっと諦められたんだぁ。だから…」
葵を強く抱きしめて肩を持って少し離された。
戸惑いつつ前を見ると、
「迷惑かけてごめん、今後は感情的にならないようにする。あ、あとさ、従業員増やしてもいい〜？」
葵「は？」
「女の子3人と、黒服1人！ねぇ〜、いいでしょ？全員即戦力だから〜…ね、良いでしょ葵？」
手首を掴まれてびっくりしつつ、振り払おうと力を入れたが抵抗が出来ない。
「逃げないで葵。」
葵「な、何でこんな事っ…」
「…お願いだから今日だけは俺の事考えてて。」
葵「っ……帰ってくるまでずっと考えてたし。俺も諦められたから今思ってる事全部吐き出せよお前。」
「……そか。」
自身の肩にのしかかるAの頭。
ボソボソ聞こえてくる愚痴に耳を傾けてAを抱きしめた。
「何でアイツなん、俺の方が槙さんの事知っとるしずっとずっと愛しとったし。何で俺には答えてくれんかったん…一言でも嫌や言うてくれたらこんな好きにならんかったのにｯ」
葵「…俺もAに対しての槙さんの対応は怒った。でも反省してくれてるらしいから落ち着いたら会いに行こ。」
背中を擦るとちっちゃく聞こえた。
葵「…お互い様だわ。」
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作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
