28話 ページ28
.
朝日が昇る一歩手前。
彼の寝顔を横目で見つつ鍵とメモを置いて静かに出ていく。
タクシーを拾って自分の家に行き、
周りを見渡すと気配ですぐ分かる裏の人間。
玄関前で見つめてると察したのか向こうからやってきた。
長身で筋肉モリモリ系、タックル系の技を得意としてそうな立ち振る舞い。
男「アンタ、フード脱いでもらってもいいっすか。」
逃げるつもりなんてサラサラ無いが、見下ろさないで欲しいな。
フードを外そうと手にかける。
屈強な男の背後から首に目掛けて手刀が飛んでいっていた。
「っ」
身軽そうに屈強な男を気絶させて家入ろ、と合図を送ってきた。
笑顔の裏側をよく知る人間だ。
「……何でここにいんの。」
ブカブカの黒いパーカーを脱ぎ捨てて突っ立っているAに抱きつく。
ジュイ「A〜っ！！お久〜！！何年ぶりぃ〜！？本当に死んでなかったんやね！」
「久しぶり。」
ジュイ「安心して！ジューゴ……あ！葵から聞いてるからキモおぢには言わないし！ちょっと条件付けたけどA達の事報告しやんから大丈夫！」
「ありがと。俺の事探しに来たの。」
ジュイ「そそ！葵から久しぶりに連絡来たと思ったらAの事探してる言うてて凄い不安そうな顔しとったから見つかってよかったわぁ。」
「そか。」
彼女は昔の仲間。
誰かに雰囲気似てるんだよなぁ。
ジュイ「…誰の事考えてるの？葵？わたし？それとも……ジュサ？」
「うわ、懐かしい名前。」
ジュイ「葵の事調べてて思ったねんけど〜…ジュサの弟君Aの所で働いてる？」
「ジュサの弟？」
ほっぽり出したパーカーの中から茶封筒を取り出して写真をAに渡す。
目元そっくり、口元そっくり、これは兄弟だ。
「まじで〜ぇ…？」
ジュイ「ほんとぉ〜！」
「めんどくさ…てか、本名で呼んでもいい？」
ジュイ「わたし？いいよぉ〜！」
「んふ、本当に久しぶりやな翠。」
ジュイ「Aも久しぶり〜！！」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジュイ:翠(みどり)
8年前に仲良くしていた仲間の1人。
女の子。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
